過食をしなくなり、自分を変えていけることに気づきました | 「あるがまま。」心療内科・精神科医 松薗りえこのブログ

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精神科医のりえこです


過食がメインの摂食障害の患者さんが

クリニックをめでたく卒業しました


通院には9か月かかりましたが

どのように変化していったのか


患者さんに了解を得たうえで

個人情報がわからない範囲でお伝えしますね


30代女性。会社員。

24年に大切なひとを亡くし、自律神経失調症となり

体重が大幅にダウン


25年5月で10年務めた会社をやめ、

5~8月オーストラリアへ留学

その頃は元気で体調がよかったが


8月~10月家にいることが多くて、いると過食

10月から仕事をはじめるが

家に帰ったら、ほぼ寝るまで過食


つらくて当院を受診しました





もともと、完璧主義で自分に厳しいタイプ

また、海外へ行きたいが、目標が定まらない


「将来の見通しがたたず、不安」

「今の自分が好きになれない」

「太った自分はみにくい」(実際は50kgもなくスレンダー)

との考えが根本にあって


「自分を変えたいがどうしていいかわからない」

「なんとかっしなくちゃ」

という焦りの気持ちがそれに拍車をかけていました


わたくしの「気づきと受容のメンタルワーク」

では、浮かんでくる考えに気づき、そのつど受け入れて

「客観視」し、批判や判断をしないように導きます


批判や判断をしたとしても、そのつど「客観視」「受け入れる」


そうすると、「考え」「思考」は流れていきやすくなり

つらい思考の渦のなかにいることを避けられます


また「身体認知調整法」で、からだをゆるめ

リラックスさせ、からだに軸をつくって

気持ちがぶれないように、助けます


両方とも「本来の自分自身でいる」ということが

心地よく感じられるワークです


お薬は少量の漢方のみです


結果、今年の6月以降、過食が6,7割に減り

7月からはほとんど過食がなくなったのです


クラシックバレエを習い始めたり

「留学は時期がきたら、きっと行ける」

と、自分にもとりまく世界にも「信頼」を取り戻し


もともと彼女のもっている「豊かな」「美しい」世界へ

戻っていきました


最後に「身体調整」をしたときには

からだの軸がしっかりできていることを感じられ

びっくりしました


最後におっしゃった言葉が この記事の題です

「過食をしなくなり、自分を変えていけることに気づきました」


「変えたのではなく もともとの自分が出てきたのですよ」

とわたしは おもうのです


穏やかで気品のある表情をたたえた

美しい女性が そこにはいました


Love

りえこ