うつ病にははやめに抗うつ薬を
とお薬屋さんが、高々と言っていますが
必ずしもそうではありません
抗うつ薬を使わずによくなったケースを
患者さんに同意をいただき、
個人情報がわからない範囲で 書かせていただきますね
50代男性。派遣会社員。妻は死別、子供は独立し、一人暮らし
会社内で職場の異動が1年前にあり、それ以来多忙。
いつの間にか不眠がちになる。
半年前に、一生懸命やってきたプロジェクトが立ちいかなくなり
上司に叱咤され、自分でも責任を感じるようになり
3か月前より、意欲の低下や抑うつ気分、おっくう感
2週間前より「生きているのがしんどい」
「死んだほうが楽だ」ということばかり考えるようになり
1週間前から会社に行けなくなる
このままでは危ないとおもって、受診しました
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140806/13/dr-rieko/a4/3b/j/t02200293_0800106713026175964.jpg?caw=800)
自殺で多いのは 男>女
40~50代の男性がおちばん多いのです
診断は「うつ病」で、自殺未遂はまだありませんが、
心配な状態であり、中等度から重度のうつ病といえるとおもいます
ここで、ご本人としっかり話し合い、
「うつ病」は必ずよくなること。
もともと「元気」だったのだから、もとに戻ることを説明
「身体調整」と「メンタルワーク」をおこない
処方は本人の希望も考慮して、漢方薬だけにしました
毎週来院していただき、信頼関係を得ていくなかで
ご本人にたくさんの気づきが得られました
「自分ひとりなら、どんな仕事もできる」
「人の役に立つような仕事がしたい」
「いままでは、~~ねばならない、にこだわりすぎていた」
「自分の好きなことをやりながら生活したい」
2か月休職後、派遣のその仕事はやめられ、
近くのビルでお掃除のアルバイトをしながら
好きな料理のブログを書いたり
子どもたちと密に逢うようにしたり
好きな自転車に乗ったりして
気持ちよく生活しています
3か月通院後 漢方もやめられ
通院はしなくても大丈夫になりました
抗うつ薬を投与していると
やめていくことにも時間がかかり
1年、2年と通う必要があることも多いです
数年単位で通われている人もいます
このかたの場合、短くてすみました
今は、アルバイトでリハビリしていきながら
新しい仕事を探そうかと考えています
「また体調が悪くなったら、先生のところに行くよ」
明るく話されています
Love
理英子