つい先日の新聞記事で、「京都府民は塩分摂りすぎ?」との記事が一面に載っていました(京都新聞:2024.5.27)。
それによると、1日平均の食塩摂取量は男性11.8g、女性10.2gで、全体では10.9gだったそうです。この全体摂取量は、全国調査(厚労省:2019年)のそれより0.8gも多いことになります。その理由として、和食で醤油の摂取量が多いことや多彩な漬物を好む文化があることが推測されているとか。
いずれにしても塩分の摂りすぎは、心疾患や高血圧、胃がんのリスクを高めるので、本稿では改めて、「減塩の工夫」について紹介します。
まず、目標の食塩摂取量ですが、成人1人1日当たり
男性7.5g未満、女性では6.5g未満
と設定されています(日本人の食事摂取基準(2020年版))。
なお、高血圧及び慢性腎臓病の重症化予防のための量は、男女とも6.0g/日未満とされています。
ちなみに、世界保健機構(WHO)の推奨値は5g/日未満です。
では、具体的な減塩のための工夫(*)を挙げます。
・特に高血圧の予防対策としては、タンパク質をしっかり摂って血管を丈夫にし、減塩で血圧を下げることが重要。
・塩分の7割は調味料からで、最も多いのは醤油なので、減塩醤油やウスターソースにすれば半減する。
・塩味不足は、酸味や辛味、うま味、香りで補う。バルサミコなどの酢や七味、コショウ、カレー粉、生姜などの塩分を含まない調味料を駆使して味付けする。
・食べ方の工夫も重要。醤油はかけずに小皿に入れて少し付けて食べ、野菜は茹でるより蒸して塩分を排出するカリウムを保つ。
・市販の加工食品は塩分が多いので、なるべく控えかつ栄養成分表示で食塩相当量をチェックする。
→ 栄養成分表示のナトリウム量(Amg)は
<A×2.54÷1000=食塩相当量(g)> で換算
塩分の過剰摂取が続くと、高血圧をはじめとする生活習慣病のリスクが高くなるのは周知の事実ですので、減塩で予防することが必須になります。
平均的な摂取量からすると、3~5g/日の減塩を目指すべきでしょうが、塩分を一挙に減らすと味気ない食事になってしまうので、少しずつ減らしていくのが現実的です。
食の楽しみを諦めず、継続できる減塩生活を!
((*)京都新聞:減塩 あの手この手(2024.5.28)を参照し、一部改編・引用しました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)