GW明けの最後の予定は、友人との大山崎山荘美術館(京都府乙訓郡大山崎町)への観覧でした。

 

阪急・大山崎駅で待ち合わせて、ランチ後向かったのは大山崎町歴史資料館(大山崎ふるさとセンター2F)です。

 

大山崎は、天王山が淀川へ最もせり出した地形で、日本の東と西を結ぶ交通の要衝として、古代以来発展してきたとのことです。

 

山崎合戦(豊臣秀吉が明智光秀を破った)や秀吉の命で千利休が造った茶室の資料もありました。

 

(館内は撮影禁止で、資料館のパンフより引用)

 

 

次に向かったのは宝積寺(通称:宝寺)で、美術館を横目に急な坂を数百m上ったところにあります。

山崎合戦では秀吉が本陣を置いた寺とのことで、打出と小槌を祀っていて、商売繁盛のご利益で知られているとか。

 

 仁王門

 

 本堂

   

   

 小槌宮の大黒天神「龍神傳来」の御朱印で、青モミジを配した季節限定もの(500円)でした。

 

 

いよいよ、今回の目的地である「大山崎山荘美術館」です。

 

そもそも大山崎山荘は、実業家である加賀正太郎(1888~

1954)が、イギリス風の建築様式を模して造った建物(大正から昭和初期)です。

加賀は、山荘の命名を夏目漱石に依頼して18もの案を貰ったが、全て無視し大山崎山荘と銘打ったとか。

 

美術館は山荘を本館に、安藤忠雄設計による地中館「地中の宝石箱」と山手館「夢の箱」とから成っています。

 

 

大山崎山荘の玄関で、美術館の入口でもあります。

 

今回の企画展パンフの表紙です。

加賀正太郎が生涯をかけて情熱を注ぎ込んだのは「蘭栽培」で、山荘の裏手の温室内に1万に近い鉢があり、交配種がいくつも生み出されたそうです。

 

今回の展覧会では、山手館に100を超す「蘭花譜」が展示されていました。

(館内は撮影禁止で、美術館のパンフより引用)

右と左下の蘭は語尾に「オオヤマザキ」と付く交配種とか。

 

地中館では、当美術館が所蔵する著名な画家(モネ・ユトリロ・セザンヌ・シャガール)の名画が展示されていました。

クロード・モネの睡蓮(当館HPより引用)

 

 

また、加賀正太郎の実業家としての業績の一つに、ニッカウヰスキーの創立があります(企画展パンフの表紙にもニッカウヰスキー90周年記念とあり)。

 

竹鶴政孝(壽屋(現在のサントリー)社員で、サントリーウイスキーの始祖)との偶然の縁からニッカの設立の関わり、その行く末を案じていたとか。

 

竹鶴はニッカウヰスキーの創業者でもあり、「日本のウィスキーの父」と呼ばれ、NHK連続テレビ小説『マッサン』(放映は2014年後期)の主人公のモデルとなった人物(妻が外人)として知られているはずです。

 

最後に、本館2Fの喫茶室で飲み物とケーキを頂きました。

(当館HPより引用)

テラス席からは向いの男山をはじめ眺望が雄大で、友人との歓談も弾み、楽しむことができました。

 

 

この度の大山崎町への訪問では、町の歴史や美術館での蘭花譜はもちろんですが、それ以上に加賀正太郎という人物の情熱(蘭栽培とニッカウヰスキーの創立)を知れて、望外の満足感を得ることができました。感謝、感謝です!