玉ねぎは産地により春と秋の2回収穫の時期を迎えますが、一般的には収穫後日持ちを良くするために一定期間貯蔵し乾燥してから出荷されるので、年中出回っています。

 

一方、新玉ねぎは春先に収穫する早生種で収穫後直ぐに出荷されるので、主に3~5月頃店頭に並びます。水分が多くて瑞々しく辛味も少なくて、生のままでも美味しく食べられる貴重品です。

 

 

本稿では、玉ねぎの栄養・健康成分を紹介し、特に豊富に含まれる「ケルセチン」の効能に注目して言及します。

 

まず、玉ねぎの主な栄養・健康成分を列挙します。

 ・栄養成分:糖質(オリゴ糖)・食物繊維・ミネラル(カリウム,リン)・ビタミン(B1,B6,パントテン酸,C)

  → オリゴ糖は善玉菌のエサになり、腸活に役立つ

 ・健康成分:ケルセチン硫化アリル

  → 硫化アリルは血液をサラサラにする作用があるが、水溶性で熱にも弱いため、生食に向く新玉ねぎからの摂取が効率的

 

 

では、ケルセチンについてです。

 

ケルセチンは、ポリフェノールの一種でフラボノイド系のフラボノール(黄色色素)に属します。

 

ポリフェノールといえば抗酸化作用が強いと周知されていますが、もちろんケルセチンも例外ではないのです。

具体的には

 ・生活習慣病(高血圧や糖尿病等)の予防効果・免疫力の向

 上効果・動脈硬化の予防効果・体脂肪の低減効果・血流の

   の改善効果

など様々な効果が確認されています。

さらに最近、認知機能改善やフレイル予防の有効性も証明されました。

 

ケルセチンは、単体では水に溶けにくくて吸収もされ難いのですが、糖と結合する(配糖体になる)ことで水溶性が高まって分解・吸収されるようになります。

 

そのケルセチン配糖体を多く含む食品(100g当たり) は次の様です。

 

   (村田食品たまねぎやのHPより引用 )

 

玉ねぎの外皮(黄色)には1000~1500mgと圧倒的に多いのですが、ほとんどは捨てられているのではないでしょうか(皮茶を含め活用レシピ多数あり)。

玉ねぎの可食部は10~30mg、アスパラガスは15mgで、以下レタスやほうれん草、ブロッコリー、緑茶が続きます。果物で多いのはリンゴ(皮付き)で4mg程です。

 

ケルセチンの1日目標摂取量は定められていませんが、20~25mg(多くても100mg程度まで)といわれており、一般的な食事では3~8mg程度しか摂れていないのが現状です。

 

玉ねぎをメイン(手軽には皮ですが・・・?)に上記の野菜を使い回し(油との相性が良く熱にも強い)たり、リンゴや緑茶(ケルセチンの多い市販品あり)も加えて、ケルセチンを意識して摂ることにより、その優れた効能を健康維持に役立てましょう。

 

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)