栄養の三大要素と言われる三大栄養素とは、エネルギー源になる成分で、炭水化物・脂質・タンパク質を指す、と記してあるのが一般的です。

 

しかし「炭水化物」を検索すると、炭水化物=糖質+食物繊維とあるので、食物繊維も炭水化物の一部であり、エネルギーになるかのように思えますが、そうではありません。

つまり炭水化物には、消化吸収されて栄養になる糖質とそうでない食物繊維があり、エネルギーになるのは糖質のみなのです。

従って、三大栄養素は糖質・脂質・タンパク質、とするのが正しい表現なのです。

 

      (アスレシピHPのコラムより引用)

 

そもそも炭水化物(carbohydrate)とは炭素と水が結合した化合物の総称なので、それが糖質と食物繊維だけとは限らないのですが、そうなった理由は日本食品標準成分表(最新版は2020年版(八訂))の表記にあります。

 

すなわち、炭水化物の総量(100g当たり)は、従来から「差引き法による炭水化物」、つまり水分・タンパク質・脂質・灰分等の合計(g)を100gから差し引いた値で示しているので、差し引きの対象にならない食物繊維が炭水化物の中に残ってしまうワケです。

 

ダイエッターなどに糖質制限をする「ロカボ」という食事法が知られています。

low carbohydrate(低炭水化物)の略称ですが、ゆるやかな糖質コントロールを謳っているので、正確には低糖質でなければいけないはずです。

 

このように巷では、炭水化物≒糖質である、とあいまいに認識されていることが多いのはないでしょうか。

 

一方、栄養成分表示(消費者向けに予め包装された全ての加工食品に義務化)に目を向けると、「炭水化物」が義務項目です(下表)が、この表示値の中身は「糖質+食物繊維」であることは留意すべきです。

    

より詳しい表示(任意ですが)を見ると、そのことがよく判ります(下表)。

   

つまり、炭水化物 9.4g=糖質 8.4g+食物繊維 1.0gであることが明示してあり、かつ糖質の中の糖類(冒頭のイラスト)まで付されています。

 

 

こうしてみてくると、一口に「炭水化物」といってもその中身は、ほぼ糖質か糖質+食物繊維なのかは、ケースバイケースでの解釈が求められますので、心得ておかなければなりません。

 

次稿では、炭水化物の異端児のような感もある「食物繊維」(第六の栄養素?)について、最新の情報を踏まえて紹介しますのでよろしくお願いします。

 

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)