血液検査をすると脂質検査結果が出ますが、特にLDLコレステロールの値は認識しているでしょうか。

別名が悪玉コレステロール(HDLの善玉に対して)と呼ばれることもあって、基準値の上限を超えている場合は、個人の状況によりますがしっかり対処しないと、動脈硬化のリスクがあって狭心症や心筋梗塞に繋がることになります。

 

ちなみに、一般的な健診では日本動脈硬化学会の基準値が用いられていて、140mg/dl以上で高LDLコレステロール血症と診断されます。

 

 

薬を飲むのは容易ですが、肝機能に悪影響を与えるケースもあるので、食事を見直すのが良いのではないでしょうか。

 

本稿では、食事を通して悪玉コレステロールの値を増やさない、上手くいけば減らせる方法を紹介します。

 

まずは、コレステロールを多く含む食品(下:1食当たり)を控えることです。1日に食品から摂るコレステロールは、200mg以下が目標になっています。

 

 ・卵  210mg・鶏レバー  370mg・あん肝  280mg

 ・さきいか  185mg・うなぎの蒲焼  276mg

 ・車海老  168mg・ししゃも  225mg

 ・辛子明太子  168mg・シュークリーム 250mg

 ・カスタードプリン  189mg・クリームパン  137mg

 

但し、食品に含まれるコレステロールを摂っても、動脈硬化に繋がる血中コレステロール値に直接影響を与える訳ではないので、健康な人ならあまり気にしなくて良い、ともいわれています。

 

それよりも気にして欲しいのは「飽和脂肪酸」という脂の成分です。食事で飽和脂肪酸を摂る量が増えるに従って、血中の悪玉コレステロール値が上がることは、多くの研究で判っています。

 

以下に飽和脂肪酸を含む食品を挙げていきます(*)。

 ・脂の多い肉:牛>豚・鶏で、特に白い脂身部分が多い牛や豚のバラ肉、ベーコンなど、鶏皮にも多い

 ・魚介類:鮎内臓、あん肝くらいで、食べる機会も少ない

 ・乳類:クリームやチーズで、特に生クリームを使った料理やお菓子

 ・卵類・豆類:敢えて挙げても卵黄や油揚げくらいで、避ける必要はない

 

料理別の飽和脂肪酸の量も比較してみます(下図(*))。飽和脂肪酸の1日目標量は、成人男性では約17g、成人女性では約13gになる計算です。

脂身の多い肉類を使ったステーキや焼肉の盛り合わせ、とんかつや生姜焼きは量が多い一方で、魚や豆腐、卵を使った料理や、皮を外したチキンソテーは量が抑えられているので、メニュー選びの参考にしてください。

 

最後に、悪玉コレステロールを減らすポイントをもう一つ。

それは食物繊維を多く摂ることです。

食物繊維は玄米や雑穀、納豆、野菜、きのこ、海藻などに多く含まれるので、これらの食品を積極的に取り入れるようにしましょう。

 

((*)あすけん:コレステロール値が気になる方へ!飽和脂肪酸を摂りすぎやすい食べ物~おかず編~(2022.6.10)から引用しました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)