ミルクと言えば「牛乳」、植物性のミルクと言えば大豆由来の「豆乳」が、誰でも浮かぶはずです。しかし今、新食材として話題の植物ミルクとは、一般に定着している豆乳以外を指すようです。
そこで本報では、そんな今話題の植物ミルクについての情報提供をします。
一概に植物ミルクと言っても10種類以上ありますが、前報(2022.4.8配信)のテーマであった「オートミール」のきっかけとなったテレビの情報番組(NHK あさイチ)では、主にオーツミルク、アーモンドミルク、ココナッツミルクが紹介されていましたので、手頃な市販品も目に留まることを確かめた上で、この3種に的を縛ります。
まずは、これら3種の植物ミルクに牛乳と豆乳を加えて、主な栄養成分(100g当たり)の比較表を示します。特に断らない限り無調整、砂糖不使用の製品です。なお、炭水化物は糖質と食物繊維の合算値で、ミルクはいずれも糖質>>食物繊維です。(太字は多い、- は不記載を示す)
食品/成分 エネルギー タンパク質 脂質 炭水化物
(単位) (kcal) (g) (g) (g)
普通牛乳* 61 3.3 3.8 4.8
豆乳(無調整)* 44 3.6 2.0 1.9
オーツミルク 40 0.2 1.5 6.8**
アーモンドミルク 24 0.8 1.7 1.4
アーモンドミルク(濃い) 62 2.7 5.4 1.1
ココナッツミルク* 157 1.9 16.0 2.8
食品/成分 コレステロール Ca 鉄 Mg V.D
(単位) (mg) (mg) (mg) (mg) (μg)
普通牛乳* 12 110 0.02 10 0.3
豆乳(無調整)* 0 15 1.2 25 0
オーツミルク 0 120 - - 0.7
アーモンドミルク 0 - - - -
アーモンドミルク(濃い) 0 26 - 26 -
ココナッツミルク* 0 5 0.8 28 0
((*):日本食品成分表2021年版(八訂)を引用、(**):食物繊維添加の製品で5.6+1.2と表示))
牛乳は三大栄養素がバランス良く含む上にカルシウムも多い優れものですが、乳糖不耐症やアレルギーなどで体質的に飲めない人もいます。
豆乳を含む植物ミルクのメリットを挙げてみます。
・牛乳が飲めない人の代替えミルクになる
・ヴィーガンやベジタリアンでも飲める
・日持ちするし、常温保存も可
・飲料や料理の幅が広がる
・環境負荷が少なくSDGsに繋がる
豆乳は、高タンパク質で低カロリー・低糖質かつコレステロールゼロなので、大豆アレルギーでなければベストな選択かも知れません。
以下に3種の植物ミルクの特徴を示します。
・オーツミルク:オーツ麦と水を混ぜて濾すとでき、オートミールからでも作れる。食物繊維を添加している製品が多く、糖質・カルシウム・ビタミンDが豊富。あっさりしていてクセがないため飲みやすい。
・アーモンドミルク:水に浸したアーモンドを攪拌し濾すとできる。一般品は低タンパク・低糖質・低カロリーで、さらっとした飲み口かつ香ばしい。濃いタイプの製品もあり、カロリー・タンパク質・脂質がほぼ3倍になっている。
・ココナッツミルク:熟したココナッツから胚乳を煮出して作る。高脂質(中鎖脂肪酸が多くエネルギーに変換されやすい)なので高カロリーになり、濃厚で甘味がある。ミネラルが豊富で、特に鉄やマグネシウムは豆乳に匹敵。
これら3種の植物ミルクは数多くの市販品が出ていますが、どれを選ぶかは、1)無糖や砂糖なしか否か、2)添加物が多いか少ないか、3)オーガニックか否か、を表示から確認して自分に合った製品をチョイスすると良いでしょう。
植物性ミルクは植物を原料したミルク一般を指し、上記の他にも、ライスミルクやヘンプミルク、ナッツ類のピスタチオミルク、カシューミルク、マカデミアミルクもあり、それぞれの栄養価や味・風味は主原料によって異なります。
これを機会に、気になるものから試して自分に合う植物性ミルクと出会い、飲料さらには料理へのアレンジと、食の幅を広げましょう。
((#)https://www.villalodola.jp/magazine/column-178/
から引用、また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)