緑茶の主要成分であるカテキンはポリフェノールの一種で、緑茶の中には約8種類(葉中には4種類あり製造工程でそれぞれが変化)が含まれており、その中でもエピガロカテキンガレート(EGCg)が60%近くを占めています。

 

 

カテキン類の効能としては、日本カテキン学会によると、1)抗菌・殺菌作用、2)抗ウイルス作用、3)活性酸素除去(抗酸化)作用、4)コレステロール低下作用、5)体脂肪低減作用、6)抗アレルギー効果、7)虫歯に対する効果、を挙げています。これら以外では8)血糖上昇抑制作用も知られています。特に注目の抗酸化作用の主役はEGCg(分子量:458)で、ビタミンEの数十倍の効果をもちます。ただEGCgは分子としては大きいのでそのままでは体内にほとんど吸収されず、腸内細菌で代謝・分解された分解物が体に入るようです。これらの分解物の作用はEGCgよりも劣りますが、総量で多くなるために作用は高まり得るとのことです。

 

緑茶に含まれるカテキン(渋味)以外の成分として、苦味のカフェインには覚醒作用や利尿作用の他、血管保護作用や呼吸機能改善効果がありますが、過剰摂取による副作用のリスク(頭痛・心拍数上昇・不眠等)も忘れてはいけません。また、うま味成分のテアニン(アミノ酸の一種)にはリラックス作用が認められています。

 

このように緑茶では、前報での疫学研究からの健康効果を裏付けるように、含有成分個々の効能も明らかにされています。

(なお本報での内容の一部は、漆原次郎:緑茶の健康効果は「カテキン」の分解が鍵だった(JBPRESS;2015.6.26)を参考にしました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

次報では、緑茶の効果的な摂取法について紹介します。