ヒアルロニダーゼの功罪(ヒアルロニダーゼ依存症) | 真・無形の器

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足せば減り、押せば引く・・・そしてそれらはお肌本来の治癒力をもって形を成す。
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休診日)水曜日、日曜日、祝日
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できるだけ日どりの余裕を持ってご予約をいただけますよう、よろしくお願い致します。


なお、キャンセル待ちや、点滴治療の方、

当日の急なご来院に対しましても、できる限り対応させていただきますので、その際は直接お電話にてお問い合わせください。


みなさん、こんにちは。

コロナ禍も一時的な終息を迎え、ロシアのウクライナ侵攻も内部崩壊の兆しが見えてきた今日この頃、みなさんお元気でしたでしょうか?

お久しぶりの投稿です。

クリニック業務に勤しんでいたのもありますが、家族の不幸も重なりなかなか文筆が進みませんでした。

ようやくひと段落の区切りがつき、そろそろ沸々と湧いてくる(?)ものを書いていこうと思います。


ヒアルロニダーゼの功罪


ヒアルロン酸によるシワ、くぼみの改善やリフトアップ治療が、長年安定した成績と人気を博している理由には、やはりその手軽さがあります。

的確な部位に適量のヒアルロン酸を注入すれば、即座に美容効果が現れ、リスクも費用も最小限に抑えられます。

そしてもし、そのヒアルロン酸注入の結果に満足できない時には、ヒアルロニダーゼにより元に戻す(リセット)、修正(リタッチ)ができることも、みなさんが安心して手軽に治療を受けられる理由です。

しかしこのリセット・リタッチの手軽さが、時として誤った方向へ導いてしまうと、悲劇を引き起こしてしまうのです。

それを私は、

「ヒアルロニダーゼ依存症」と呼び、常にお客様に注意喚起しています。


ヒアルロニダーゼ依存症とは


もし、ヒアルロン酸注入直後に(または数日、数ヶ月以内に)、その仕上がりに不満足を感じた場合、

1回のヒアルロニダーゼ注入によりヒアルロン酸は分解し、ヒアルロン酸を注入する前の状態に戻り(リセット)、事なきを得ることができます。

また多過ぎたヒアルロン酸を少し減量するためにヒアルロニダーゼを少量注入し、美しい結果を出すこと(リタッチ)も可能です。

これは、まだヒアルロン酸注入前のお顔のイメージがお客様に残っているうちにヒアルロニダーゼで分解するためと言えます。

お客様が以前の状態をまだ覚えているから、リセット・リタッチができるのです。


しかし、ヒアルロン酸注入から何ヶ月も(何年も)経過してからヒアルロニダーゼで分解すると、

「まだヒアルロン酸が入っている気がする。。。」とヒアルロニダーゼ追加を相談に来られる方が増えます。

確かにまだヒアルロン酸が残っていてボリューム感が残る場合もあり、当院ではヒアルロニダーゼ追加については1回のみ無料で行っております。

しかしこの時点でヒアルロン酸注入前のお顔のイメージを忘れてしまっている、

またヒアルロン酸注入より長期間経過しご自身が老化したことでのイメージの変化を認識できない方が多いのも事実です。

人はヒアルロン酸治療をした直後の顔に満足しても、数日で見慣れてしまいます。

元々あった顔のように…。

そしてまた、ヒアルロン酸で埋めていた期間にも、支えていた期間にも、刻々と老化は進行しているのです。

時は元には戻りません…。


更には、適度にヒアルロン酸が残存していて良好な結果であるにも関わらず、やはりヒアルロニダーゼ追加を希望する方も多いです。

これは、美しくなるために始めたヒアルロン酸治療が、いつのまにかヒアルロン酸を全て消し去ることが主目的となってしまっているのです。


ヒアルロニダーゼ追加のためにさまざまなクリニックを渡り歩き、何度も何度もヒアルロニダーゼ追加を希望する方が当院にも受診されます。

いつの間にか元来の顔の形状を忘れてしまい、

さらに「前はこんな膨らみやくぼみは無かったのに…」と元来の顔のイメージを美化し、

「この邪魔なヒアルロン酸さえ無くなれば!」と

美しくなりたいというヒアルロン酸治療を始めた目的を忘れ、いつの間にかヒアルロン酸撲滅へと変わってしまっています。

もはや、ヒアルロニダーゼを美容治療と勘違いしているようです。


ヒアルロニダーゼ依存症増加の原因

このようなヒアルロニダーゼ依存症の方が増えてしまった背景には様々な要因がありますが、

①ヒアルロン酸の大量注入傾向

②安易な目袋脱脂術や鼻プロテーゼ挿入術の提案、施術

③ヒアルロニダーゼの価格吊り上げ、ブランド化

が挙げられます。


①として、1本1ccのヒアルロン酸を2本3本と大量に使用し、顔をパンパンにしてしまうクリニックが最近特に増えてきました。利益重視もあるのですが、ヒアルロン酸メーカーのコンセプトを鵜呑みにした稚拙なテクニックのドクターがどんどん輩出されていることも憂慮すべきです。

特にヒアルロン酸を自己注入する女医さんは多く、アンパンマンのようなパンパンの顔で笑っているドクターには要注意です。


②も、最近特に大手美容クリニックがしのぎを削って大々的にCMを打っているのを見ます。

月々のローン価格で安く見せ、切らないとか甘い言葉で不必要な脱脂を勧めるケースが非常に多くなっています。

せっかくきれいにヒアルロン酸で整えた目元も、他院で脱脂するから全部溶かして来いと言われ、脱脂後は窪みと青グマで余計に疲れた目元でまた当院へベビーコラーゲンの相談にくるお客様が本当に後を絶ちません。

クマ治療にとって脱脂は最終手段、ということを私の過去ブログで参照していただきたいです。


③については賛否あると思います。

当院はヒアルロニダーゼは美容治療では無いと考えているため、当院のヒアルロン酸治療後のヒアルロニダーゼ注入については無料で行っています。

他院様の修正についても安価¥16500(税込)です。

無料、安価ゆえに手軽にヒアルロニダーゼを受けに来られるから依存症も増えるのでは?という認識もあります。

しかし、ヒアルロニダーゼに5万も6万も請求し、ヒツジ由来よりヒト由来の方が良いかのようなイメージまで植え付けて高級な美容治療として扱うのはいかがなものかと思います。(羊・牛肉アレルギーの方はヒト由来です。)

クリニックがヒアルロニダーゼに利益を求め出すと、それはもう悪質な業界となってしまいます。

大量のヒアルロン酸注入で儲け、

それをヒアルロニダーゼで溶かしてまた儲け、

まさにマッチポンプの詐欺治療です。

ヒアルロニダーゼは手軽にリセット・リタッチできるツールとしてあるべきです。


ヒアルロン酸注入は美容治療ですが、

ヒアルロニダーゼ注入は美容治療ではありません。

注入したヒアルロン酸を分解はできますが、決して理想的な美しい状態にはなりません。

あくまでリセット、リタッチにすぎないのです。


ヒアルロニダーゼ依存症に陥らないよう、

私はお客様への説得を続けます。

たとえそれがお客様から嫌われようとも。

他のドクターから嫌われようとも。


ヒアルロニダーゼやステロイド(ケナコルト)の乱用で、

皮下組織や皮膚まで萎縮され、

当院を受診してもなおヒアルロニダーゼを熱望するお客様を説得することは、

美しくする事より、難しい…


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