🟥 認知症薬「レカネマブ」自宅治療版承認──本当に朗報なのか?
アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」。
エーザイとバイオジェンが共同開発し、米FDAが皮下注射型を承認したと報じられました。
日本でも年内承認を目指すとのことです。
一見すると朗報。
「自宅で投与できる」「進行を抑制できるかもしれない」──
そう聞けば希望を感じる方も多いでしょう。
しかし、私はこのニュースを“手放しの歓迎”では受け取れません。
✅ 今回の「皮下注射」承認の意味
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従来は 「2週間に1回、1時間の点滴」 が必要で、患者・家族・医療機関に大きな負担。
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今回の承認で 週1回の自己注射 が可能になり、アクセスは確実に改善。
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ただし、効果自体は変わらず「限定的」なまま。
💰 国民負担はどうなるのか
この薬の年間費用は 数百万円規模。
仮に「親のために年間60万円くらいは投資できる」という富裕層10万人が使えば、それだけで 年間3,000~4,000億円。
潜在患者は数百万人。
もし対象が拡大すれば、国の財政は一気にパンク。
患者さん個人は「高額療養費制度」で数万円の負担で済みますが、残りの数百万円は私たちの血税から。国民全体の負担となるのです。
🧩 効く人と効かない人
この薬は「劇的に治す」ものではなく、
臨床試験(Clarity-AD)では 認知機能の低下を18か月で27%抑制 と報告。
つまり「進行を少し遅らせる」程度にとどまります。
そもそも アミロイド仮説 そのものに懐疑的な研究者も少なくありません。「小さな前進ではあるが革命ではない」と冷静に評価する専門家もいます。米国内でも「リスクと費用に見合わないのでは?」という声は強まっています。
さらに大きな問題は、効く人と効かない人を見極める仕組みが未整備 なこと。
APOE4遺伝子、アミロイドPET、脳脊髄液検査などで対象を絞らなければ、
無駄な投薬と副作用が膨大に発生する危険があります。
⚠️ 副作用リスク
レカネマブでは 脳浮腫や脳出血(ARIA)が2割程度に出現。
重症例や死亡例も報告されています。
特に抗凝固薬を服用している患者ではリスクが高く、
「救世主の薬」というより「慎重に見極めて使う薬」と言うべきでしょう。
🌱 予防医療とデータ基盤こそ国策に
アルツハイマーを本気で抑えるなら、
まずは 生活習慣改善という王道の予防が不可欠です。(がんも同じですね)
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睡眠
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運動
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食事
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社会的つながり
シンプルですが、これこそが最も強力な“認知症予防薬”。
そしてもうひとつ。
薬の真価を判断するには 👉 統一電子カルテ(EHR) が不可欠です。
全国規模でリアルワールドデータを集め、
「誰に効き」「誰に効かないのか」を科学的に明らかにする。
それをしなければ、この薬は「無駄と副作用の温床」にしかなりません。
🧭 結論:無価値医療を繰り返すのか?
私が問いたいのはシンプルです。
👉「効く人にだけ、適切に届ける仕組みを整える」──
それをせずに高額薬をばらまくのは、無価値医療の再来です。
医療は“希望”であってほしい。
しかし“幻想の希望”を税金で買い続けるなら、
国民負担は天井知らずに膨れ上がります。
もちろん、家族歴や遺伝的リスクを持つ方には、
早めの診断と介入が有効です。
薬を否定するのではなく、「適切に使うための基盤整備」こそ急務だと私は考えています。
”Harvest of Joy” by Chappy Brueghel II











