一般財団法人 日本科学技術連盟主催「第114回 品質管理シンポジウム(QCS)」が今年12月に大磯で開催されます。久しぶりのQCS登壇です(≧▽≦) 当初考えていたことが見直しになり、かなり焦りましたが、なんとか骨格は定まったと思います。ほっ。。
品質管理シンポジウムの特設ページはこちらです → 品質管理シンポジウム(QCS) (juse.jp)
特設ページを下にスクロールすると右側のバナーに第114回案内がリンクされています。そのリンク先のPDFファイルがこちら →
第114回ではですね
特別講演が、ソフトバンクホークスの工藤監督なんです
ものすごーく楽しみ\(^o^)/
えー、さて・・・
上記リンク先の案内に書いてある通り、
当初の私の講演タイトルは「顧客プロセス変革と自社プロセス変革の両輪で進める品質経営の在り方」というお題を事務局からいただいていたのですが、ここで言いたかった趣旨は来年以降に先送り。今回は今回でゼロから再考することになりました
「新しい講演タイトル」と「講演概要」が固まるまでの4日間の様子を断続的にブログに投稿しておりましたが、これら投稿、見方を変えると、かつて担当していた大学院科目「プレゼンテーション技術」で実践して受講生に見せていた組み立ての手順そのもの。ほんなら、このブログ上に「模擬授業(?)」として残しておこうと思い、複数に分散していた投稿を、以下の一つにまとめました。
以下の要領は、
「考える技術・書く技術」(ダイヤモンド社)に則っています。あ、、、20年超にわたって使い込んできたので、則ってないかも。かなり我流になってますでも、基本は「考える技術・書く技術」です。
============
08月11日 23:12
『混迷、極まる。かなりヤバい 凹凹凹』
今冬12月、
第114回 品質管理シンポジウムに登壇します
久しぶりの機会なので張り切ってます
張り切っているのですが・・・ 悩ましいことに直面しています
当初、「顧客プロセス変革と自社プロセス変革の両輪で進める品質経営の在り方」というタイトルを事務局からいただいていたのですが、
白紙になりました
正確に言うと、
来年以降に先送り。
趣旨はずばり「コト品質保証のあり方」。
私にとって本命中の本命。大本命です。
大本命を来年以降に移すことになったため
では、こんどの講演趣旨をどうするか。。
正直、、、混迷の度合いを極めてます
いまもう、ほんとに混迷してます
タイトルすら決まらない
納期はヒタヒタ迫っており、
来週15日に、タイトルと概要を事務局に提出しなければならない
かなりやばいです。。
============
08月12日 10:38
「「顧客を勝たせる」という発想: プロダクトアウトからマーケットイン、そして次のパラダイムは何か」
講演タイトルを考えてます。
突然に、上記タイトルがスラっと頭に浮かんだのですが、このタイトル、どうかなさきほどから、こういうタイトルだとどんな構成になるのかなあ、と考えを巡らせています。ほほぉー、、なかなかおもしろそうです。
完全に新規構成になりそうです
============
08月12日 11:36
「初動のつかみは「競争戦略」から突っ込んでいくのはおもしろいかもしれないなー」
内容骨子のピラミッド構造は頭の中でなんとなくぼんやりイメージしながら、初動の入り方を考えてます。
今回の講演も
富士急ハイランドのドドンパばりのロケットスタートを目指します
私の話を過去にも聞いたことのある方々を飽きさせない。そのためには、、、
いっそ
競争戦略から入ってしまおう
ガツンと攻め入りたいことは
下記の赤字です。
❶ 顧客の競争戦略を考える
顧客の何の実現をサポートしているか
↓
それは顧客の同業他社との差別化をもたらすか。同業他社もそれをやれば、差別化どころか、レッドオーシャンにならないか?
↓
競争戦略:競争戦略とは「違い」を創ること。違いの作り方には2つのアプローチがある。
↓
顧客が勝つということは、ライバルと同じではないということ。「違いがある」ということ。
顧客を勝たせるためには、①顧客がその先の顧客にもたらす価値次元を刷新するか、②価値を創造するオペレーションシステムの効率を追求するか。そのどちらか。
❷ 生産性向上、それはB2B/B2Cを問わない
SDロジックは「使用を通じて得られる価値」に着目。これがいわゆる「コト価値」。
↓
「使用を通じて、顧客の現場で何が変わるのか」という発想は、B2BもB2Cも同じ。「当事業は、顧客現場における何の生産性を向上させるのか」という問いの答えを明確にもつことが全てに勝る事始め。これを明文化したものが「何屋規定」。
↓
課題によって、何の生産性を高めるべきかは異なる。
↓
生産性=アウトプット/インプット
一般的に生産性というと、投入するヒト・カネ・時間など「分母」を小さくすることに目を奪われていないか。分子に着目することも重要だし、そもそも何の生産性を高めることが、顧客の勝ちに繋がるのか、よくよく考えたい。
顧客を取り巻く未来環境をみすえ、顧客が勝ち続けるために顧客が着目すべきは、何の生産性か。その問いを考える続けることが顧客価値創造活動の原点といえる。
〜〜〜
うーーん、、
どこのタイミングで
「スクリプト」をガツンと出そうかなー
もう一度、
考え直してみよう\(^o^)/
なんだか楽しくなってきました
============
08月12日 14:00
「よっしゃ!この初動なら、結構いけるぞーっ!風を切るように15分間で駆け抜けるぞっ(≧▽≦)」
なかなか気に入った
この入り方は、結構おもしろい
えー-っと、
この投稿はさきほどの続きです。
第114回 品質管理シンポジウムの講演内容を組み立てています。
実況中継バリの投稿になってますね。。
講演全体は、「競争戦略」から入って、「スクリプト」を出ようと考えています。出口は「スクリプト」です。講演のタイトルは、、、
『「顧客を勝たせる」という発想: プロダクトアウトからマーケットイン、そして次のパラダイムは何か』
副題で「次のパラダイムは何か?」と言っておいて、スクリプトを出口にしようとしているのですから、それはつまり、
プロダクト・アウト
↓
マーケット・イン
↓
スクリプト・アウト
実はこれ、
2002年の時点で言っていたことでして、
20年の月日を経て、再来するという運びです。
20年の月日って、、、こうして「20年」と書くと、すごい響きですね。
当時の原稿がもはや手元にないのですが
たしか、、月刊クオリティマネジメントに投稿した「プロダクト VS ブランド」(2006, Vol.57, No.8)か、「シーズオリエンテッド VS ニーズオリエンテッド」(2005, Vol.56, No.11, pp.70-71)か、「顧客価値開発7つ道具」(2002, Vol.53, No.11, pp.57-69)のどれか、あるいは、品質管理学会誌に投稿した「マーケティングからみた顧客価値創造 ~スクリプト法を用いた“コト”の提供~」(2005, Vol.35, No.3, pp.159-165)という論説か、、、、どれも手元にないのでわからないのですが、これらのどれかで「これからはスクリプト・アウトの時代」と主張したことは覚えています。
今回は、
単なる当時の再来ではなく
20年間かけて相当の理論武装を施しているので
パンチの強さがぜんぜん違うと思います
さて、
講演タイトル、そして講演内容の入り口と出口は前述したとおりでして、これを受けて、第1章を組み立て始めました。現時点での第1章は、こんな感じです。ピラミッド法を用いて、第1章の骨格を構造化しました。
ご来場者にはあらかじめ事前課題をお願いする予定になっており、みなさんの回答内容を、いきなり講演冒頭で引用しようと思います。なんてったって、ご自分が回答した内容から話が始まるわけですから、そりゃもう、初動の「アテンション・プリーズ」にはうってつけの入り方でしょう
その直後に「競争戦略」。
競争戦略とは違いを創ること。
違いの創り方には、2つある。
という話。
そのうえで、再び事前課題へ。
問いかけとしては、「さきの回答を、顧客だけでなく、同業他社もこぞってやれば、完全競争に直走ることになります。待ち受けるのはレッドオーシャンです。あらためて伺います。回答いただいたコトは、顧客にブルーオーシャンをもたらすものになっていますか?」
冒頭からここまでの所要時間は、んー--、、まあ、15分かなあ。。
ロケットスタート、そして
間髪入れずに畳みかけるジェットコースター展開をやってのけたいので、競争戦略をダラダラ解説するようなことをせず、「着目点はSP(Strategic Positioning)とOC(Organization Capability)の二つ」だけを強調するピンポイント訴求にしよう。で、第1章の出口になる「未来を見据え、顧客の成長ドライバーを見出し、その実現をサポートするという発想」というトピックスに飛び込みたいと思います
うん
悪くない
これを15分間で駆け抜けるのは
きっと気持ちいいだろうなー
============
08月13日 15:59
「第2章へ。ここから色んな意味で(汗)、他の追随を許さぬ真骨頂\(^o^)/」
第1章の結論は、
「追求すべきは、顧客の成長ドライバーを見出し、その実現をサポートするという発想」というトピックセンテンス。
このトピックセンテンスを受けた第2章では
「生産性」を前面に出してみようと思います(≧▽≦)
第2章の結論は
「一口に生産性向上といっても、左辺Yと右辺Xのモデル構成は多様。顧客の成長ドライバーを共創するに相応しいDo結果を定めよ」というものです。これはですねー、、私の真骨頂やね\(^o^)/ たぶん、こんな主張できるのは、私しかいないいろんな意味で
このあと第3章の組み立てに入ります。
最大のポイントは、スモールソリューション回避そのカギは、脱GDロジック
さっ早速、取り掛かろう
【追加】
ここまでの第1章から第2章に至るピラミッド構造のガッチャンコは以下のとおりです。まるで、産業戦略工学専攻の時代の「プレゼンテーション技術」の講義みたいな感じになってますね
============
08月13日 19:18
「あんなに混迷を極めていたのに、立ち位置を決めたらあっという間に終わった(≧▽≦) 講演骨子、完了」
タイトルを決めて、
入口と出口を定め、
ピラミッド構造づくり。
ここまでのところで
第1章のピラミッド構造、第2章のピラミッド構造、そして、両者を統合したピラミッド構造を示してまいりました
いい感じにギアが3速から4速に入ったので、この勢いで一気に5速へ
ということで
あっという間に、以下の第3章ピラミッド構造ができました。
ものの15分くらいだったような気がします。
ほんとあっという間でした。Ver1ですから荒っぽさしかないので、「完成」とは程遠いですが、骨格作りとしてはこれで十分です。
ということで
第1章から第3章までの全体構造をガッチャンコすると、こんな感じです。
いやぁー、
ひっさしぶりに
「ピラミッド法」の講義になりましたね
プレゼンに臨む際、いろんなテクニックがあるでしょうが
私は、この「ピラミッド法」を好んで活用しています。
25年仕込みなので、
もはや、バーバラ・ミント女史のオリジナル法とは別物になってしまっているでしょうけど、それはそれ。使いこなしてたらこうなったんだから、なんの問題なし。
ここで詳述はしませんが
ダイヤモンド社から出版されている「考える技術・書く技術」は、とにかく秀逸です。
私は前職・広告会社の新人時代に、先輩から教えていただき、その後の競合プレゼン勝率はズバ抜けて上がりました。交渉に臨むときも、「ハーバード流 交渉術」のBATNAの考え方に、ピラミッド法を抱き合わせた飛び道具にしています。とにかくおすすめです。興味がありましたら、読んでみてください。
で、
上図のピラミッド構造ができてしまえば、
プレゼンは8割方、できたも同然です。
言うべきことがロジックで明確でなっているので、あとは、個々の言い分に相当するシートを作るだけ。シート化するときもポイントがあって、1枚1枚を作りこむようなことはしません。各シートは、上段タイトル欄に「トピック(主語)」をテキスト入力し、シート下部に新たなテキストボックスを設けて、そのトピックの述語を書いておきます。つまり、各シートには、図表などには一切手をつけず、そのシートが言及しようとしていることは何か(=トピック=主語)と、そのトピックについて自分は何だと言おうとしているのか(=メインアイデア=述語)の2点を書くだけ。これをすべてのシートにやる。こうして、全編を構成するペース枚数を早々に固める。その後、持ち時間に合わせて、各シートをどれくらい作り込むか、流れをイメージしながら作ります。
今回の場合、
ピラミッド構造がこうしてできたので
やろうと思えば、10時間でプレゼンシートver1はできる。
実際は・・・
磨き込み職人の血が騒いでしまうため
当日本番直前まで、てにをは、アニメーション設定、図表の書き直しを延々と繰り返すんですけどね
==なかば業務連絡==
リーダーのみなさん、
一点突破というのは、こういうことです。
ピラミッド構造をご覧いただくと、
帰納法に頼らず、演繹だけで解釈を重ねていることがお分かりですよね?
骨格は演繹で作り上げ、
仕上げ段階で初めて、補強するための帰納法を組み込む。
これを心がけています。
演繹で駆け上がることが
どれだけ勇気のいることか。
これは一点突破屋じゃなければわからないことかもしれません。
と言いますのは、
演繹だけでピラミッドを上がろうということは、どこかの演繹ルールが不成立になった時、ピラミッド構造はもうそれより上には登れなくなってしまうからです。
ルール不成立は絶対避けなければならない。
しかし、時として、相手は任意のルールを崩しにかかってくる。
私が学生時代にESSのディベートにはまっていた時は、まさに相手の演繹ルールを論破することに最も注力していました。
自分がプレゼンする側の時は、
ピラミッド構造に点在するすべての演繹ルールを必ず成立させなければならない。
さもなくば、論破され、谷に落ちる。
前職時代の競合プレゼンでも、目を覆いたくなるような谷底転落を経験しており、演繹で組み上げることの恐ろしさは身をもって知っています。「恥をかく」程度ならどうでもいいのですが、競合の場合、見込んでいた数億の売上が吹っ飛ぶことになるわけで、敗北感の大きさは計り知れません。
それでも演繹で突破しようとする理由、それは
演繹で組み上げた主張が相手に刺さった時のインパクトが絶大だからです。説得力の次元が違う。主張が相手に当たった時の、突き刺さり度合いはとてつもないので、確実に競合プレゼンで勝つ。
なんとなく勝った、なんとなく負けた。それがない。勝つときは圧倒的に勝つ。負ける時は奈落の底に落ちる。これだけハッキリすると、なんかですね、、中途半端な戦には臨めなくなるんですよね。
- いかに、演繹で主張を組み上げるか
- いかに、ピラミッドを構成する演繹ルール数を少なく絞り込めるか
- いかに、強く、魅力的な演繹ルールたちで固められるか
これら3つのイシューを満たすことが
強いプレゼンテータの要件だと思っています
私はまだその域には達することができていないので、いつか、その域に達した世界を体現してみたいです。
以上、
一点突破とはピラミッド構造にどう現れるのか示しました。
あらためましてリーダーのみなさんにおかれましては、メンバーの発話集を単に並べただけの発表や、一見するとロジックっぽく見えるものの実態は抽象度抜群な帰納法になっていてそのあとの演繹が効かない発表を、なにとぞ回避していただきたくお願い申し上げます。
以上、
ほぼほぼ業務連絡でした。
============
08月14日 17:17
「「講演タイトル」と「200文字概要」、完了!」
講演概要を作ってみました。
が、しかし
なんかまだしっくりこない。
とりあえず、これをver.1とみなし、引き続き加筆修正しようと思います。
おっとっと、ということは・・・ タイトルに「完了」と書いちゃいましたが、完了してませんでしたありゃりゃ
-------------------
【タイトル】
「顧客を勝たせる」という発想: プロダクト・アウトからマーケット・イン、そして次のパラダイムは何か
プロダクト・アウト・・・ この言葉にネガティブなイメージをもつ実務家は少なくない。しかし、WalkmanやiPhoneなど、人々の暮らしを変えた革新的製品は、顧客の明示的な声に基づき誕生したものとはいえず、プロダクト・アウトの側面が強い。「良いモノを作れば売れた時代は終焉した」と言われるようになった現在の競争環境において、顧客価値創造を成功に導くカギは何か。それが従来からある「プロダクト・アウト」とは異なるとするならば、プロダクト・アウトからマーケット・インに続く、次のパラダイムは何か。「顧客を勝たせる」という切り口から、この命題を考えてみたい。
(263文字)
-------------------
なんだか広告会社時代のマーケターに戻ったような気分です 当時は、こんなんばっかりでしたからね
このタイトルと概要だけだと、なんとなく、講演内容がどういうところに落ち着くのか想像つくかなと思います。いわゆる「マーケティングの話」みたいな感じですよね。たしかに、その側面も取り入れてます
でもですね、
私の主戦場は、いまや「事業開発」です
そのへんにありがちなマーケティング講話で終わらせるつもりなんぞまったくない
「コト価値の構想」から始め、「活動システムをもとにした経営方針」に至る全景をおさえて、50分間のジェットコースター経験を提供したいと思ってます
<おしまい>