聖路加国際大学大学院看護情報学教授の中山和弘先生より、『これからのヘルスリテラシー~健康を決める力~』(講談社)をご恵贈賜りました。
 
 
これまで私も、論文書籍や取材で、ヘルスリテラシーの説明をしてきましたが、
 
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この概念を説明するときにいつも、どこから説明しようか、迷います。
 
なぜかと言えば、この認知的・社会的なスキル(ヘルスリテラシー)には、エンパワメントやヘルスプロモーション、健康生成論やその中核概念であるSOC、ヘルスコミュニケーション、健康の社会的決定要因等、多様な概念や理論の理解が欠かせないからです。
 
ページ数の制限などで、どうしても「ヘルスリテラシーの概念説明」「ヘルスリテラシーとエンパワメントとの関係」「ヘルスリテラシーとヘルスプロモーションとの関係」などと焦点を絞った説明をせざるを得ないことが多いのですが、229ページから成るこちらの書籍は、膨大なレビューとともに、関連概念もすべて丁寧に説明されており、まさに「先生のお取り組みの一つの集大成」とも言える素晴らしい内容でした。

実は中山先生のお取り組みは以前から存じ上げていて、先生が開発された情報の真偽を評価する5つのチェックポイント「か・ち・も・な・い」と、適切な意思決定をするために踏むべき4つのプロセスは、私の著書『公衆衛生の緊急事態にまちの医療者が知っておきたいリスクコミュニケーション』(医学書院)pp257~259でも引用・ご紹介させていただいているのです。
 
 
情報の過多状態、いわゆる「インフォデミック」が起きやすい公衆衛生の緊急事態下においても、健康を守り生き抜くためには、ヘルスリテラシーは不可欠。おススメです!

 

 

ヘルスリテラシーについては、私の著書『ヘルスコミュニケーション~人々を健康にするための戦略』(ライフ出版社)pp79~80、132~134でも書いておりますので、合わせてご笑覧くださいませ。

 

 

ヘルスリテラシーに関連する理論や概念として前述した健康生成論やSOCについては、以下の著書もおススメです。