最近、政府から職場の現状を考えさせられる調査結果が相次いで公表されています。

 

まず厚生労働省の令和6年度「過労死等の労災補償状況」によると、仕事による強いストレスが原因で発症した精神障害に対する労災認定数は過去最多を更新。精神障害の原因別で最も多かったのが「パワーハラスメント」でした。

 

続いて文部科学省の令和7年度「学校教員統計調査(中間報告)」でも、精神疾患を理由に退職した公立小中高校の教員数が過去最多となりました。

 

メンタルヘルス対策やハラスメント対策を掲げていても、実際には機能していない職場が多いことが、こうした結果からもうかがえます。

 

この現状を少しでも変えたいという思いから書いたのが、新刊『病まないための職場サバイバル戦略』(集英社新書)です。

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病まないための職場サバイバル戦略 (集英社新書)

 

 

  対策が機能していない職場でハラスメントにあったら、どうすればいいのか

 

ところで、ハラスメント対策が機能していない職場でいじめにあってしまったら、どうすればいいのでしょうか?

 

ポイントは、仲間をつくり、集団で立ち向かうことにあります。

 

従業員を対象とした米国の研究によると、職場でいじめにあったときに1人で抵抗した場合、加害者が処罰されたケースはわずか27%にとどまり、しかも被害を訴えた側である社員の20%が解雇されました。

一方、被害を受けている社員が結束し集団で立ち向かった場合、企業側は58%を超えるケースで加害者を処罰し、被害を訴えた社員は誰も解雇されなかったというのです。
Lutgen-Sandvik P. Take This Job and … : Quitting and Other Forms of Resistance to Workplace Bullying. Communication Monographs. 2006; 73(4): 406–433.

 

この結果を見て「さもありなん」と思ったのは、私だけでしょうか。

日本の会社でも「被害者が声をあげたら、逆に問題社員のレッテルを貼られた」という場面を、残念ながら幾度となく見聞きしてきました。


一人で立ち向かった場合、残念ながら会社が被害者側につくことは少ないという理不尽な現状があるからこそ、もし立ち向かう必要性が生じた際には同僚と結束する必要があり、そのためにも日頃から信頼関係を構築しておくことが重要なのです。

 

 

  異論を唱えても、信頼関係を構築するコミュニケーションのポイントとは?

 

とはいえ、価値観が多様化し、「正しさ」を共有しにくい現代社会において、なかなか分かり合える関係を築くのは難しいのではないでしょうか。

 

だからこそ、意見や価値観の異なる人や集団に異論を唱えても、関係を悪化させず、むしろ信頼関係を構築するコミュニケーション力を身につける必要があるのです。

 

そんなコミュニケーションで重要なポイントの一つが、意見の異なる相手の「利害・関心 (interests) 」を理解することです。

 

「利害・関心 」とは、相手が反対の立場をとっている理由やその根底にある動機やニーズ、価値観などを指します。

 

たとえば、ある企画をやるかやらないかという「立場」にフォーカスしてしまうと、選択肢は賛成か反対かの二択となり、対立が深まりかねません。

 

しかし「利害・関心」に目を向けることで、新たな選択肢を創出できる可能性が生まれるのです。

 

では、どのように対話を進めれば、対立を深めることなく信頼関係を築けるのか。

 

その具体的な方法や、職場で自分を守りながら状況を変えるためのコミュニケーションのポイントについては、新刊『病まないための職場サバイバル戦略』第三章で詳しく解説しています。

 

ぜひお読みいただければ幸いです。

 

 

 

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