行動変容から見る安井友梨さん
こんばんは。DrQです。本日安井さんの書籍が発売になりました。嬉しいですね!こんなyahooニュースも配信されています。https://news.yahoo.co.jp/articles/5297ba2f38e05da889a45fcdac743d89e8bff35cさて、今日は「行動変容」についてです。最近COVID-19 に関してよく「行動変容」というkeywordを使用して政治家の方々がお話しされているのをニュースで見ます。そもそも行動様式が変わることを「行動変容が起こる」 といいます。行動が変わる過程は無関心期↓関心期↓準備期↓行動期↓維持期↓再発期この各段階を経るといわれています。さて、今回そんな観点から安井友梨さんの本を読むと面白い気づきがありました。安井さんは、“行動変容”を地で行っているのです。※ネタバレも一部含まれます。ご了承ください。安井友梨さんが、行動を変えようとしたきっかけは母のダイエットの成功だったそう。身近の母の成功は彼女にとって私もできるかもという自信を高めることに大きく貢献したそうです。この自信って、セルフエフィカシーといって、とても行動変容では大事なこと。行動を変えるためには、”自分もできる”という、自己効力感(セルフエフィカシー)を高めることが重要です。また、母の成功体験を身近に聞くことによって、母がいろいろなメリットを得ているのをみて、痩せるという行動が健康に及ぼす影響のメリットがデメリットを上回ったのでしょうね。太っていることが、様々な疾患に結び付く疾患罹患性、重篤性に気が付いていたのかはわかりませんが・・、行動変容ステージから見ると、この時点で無関心期から関心期に移行したといえます。そして見逃せない重要なことがひとつがあります。書籍でも紹介されていますが、最初のジムのスタッフのかたが“そもそも安井さんはどうなりたいんですか? ”と聞いたそうです。人の行動を変えようと思ったとき、まず最初は本人の話を聞くこと。どんな風になりたいかを聞くことで、本人の意識のしたことがないことを考えるきっかけになっています。“こういう人になりたいという目標はありますか”と具体的な目標設定を行うことで、重要度・自信度モデルにおける重要度を上げることに成功していています。重要度・自信度モデルってのは、行動を変えることを重要と思い、できるというセルフエフィカシーを両方あげることで、行動変容を成功できるというモデルです。ここのジムのスタッフは素晴らしいスタッフ、goodjobです!また、大会に向けて食べまくれと言われたり、ストレッチや姿勢の矯正ばかりしていたことは、日常生活の中で、昨日の自分を少しづつでも一歩超えていく行動変容とも言えます。最初は実行・維持しやすいことが重要で、ちょっとの成功が、自己効力感、つまりセルフエフィカシーを増加させます。そしてあえて筋トレをしないということは、行動を変更させる本人にとってその重要度を増すものであり、行動期への移行をうながしているのです。そして、大会3か月には“これで本当に大会に出られますか?”と、安井友梨さん自身から、とてもやる気のある言葉を引き出しています。本人が行動したいと思ったら、これが行動期です。本人の主体性が出ているので厳しいトレーニングにもついていけるため、自分の身体が変わる(セルフエフィカシーの向上)ことを称賛しつつ、行動を維持させることができたのです。その結果、大会優勝・・・凄いとしか言えませんね。彼女の格言は面白いことに行動変容でのモデルでよくいわれていることです。■やれるかどうかではなく、やるかやらないか ⇒ 重要度自信度モデル■明日、最高の自分を迎える準備を今日出来ているか? ⇒ セルフエフィカシー■自分を信じて、一歩一歩前に進めば必ず道は開ける。⇒ スモールチェンジ・アプローチ行動変容。面白いです。是非本もおススメです!https://www.amazon.co.jp/dp/4492046690/ref=cm_sw_r_li_api_i_PkUaFbGDVS80A#featureBulletsAndDetailBullets_secondary_view_div_1596713081627政治家の方々のCOVID-19に対するやり方もやっぱり行動変容の理論に基づいており、例えば、コロナの怖さを伝えることで、行動変容の重要性を上げてみたり・・・ながくなるのでこの辺で、たまには引用文献も。1. Prochaska JO, Velicer WF: The transtheoretical model of health behavior change. Am J Health Promot 1997, 12(1):38-48.2. Rosenstock IM: The health belief model and preventive health behavior. Health Educ Monogr 1974, 2(4):354-386.3. Berlin EA, Fowkes WC, Jr.: A teaching framework for cross-cultural health care. Application in family practice. West J Med 1983, 139(6):934-938.