10年後の存在しないドキュメンタリーの話 | こだのクソ

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死後評価される

日本が誇る人間不信

こだです。
 
もう年末ですね。
こうした何かの区切りを迎えると、それまでを振り返りたくなるのは
人間の悪い性であると感じつつ、僕もこう見えて人間とアレのハーフなので、
そういった物思いについ耽ってしまいます。
で、こう書くと多くの方は僕の1年を大体予想出来る事とは思いますが、
ご想像の通り、今年も何もありませんでしたね。
 
「何もなかった」の定義は難しい所ですが、僕の場合は今後の人生において、
人生の目標に結びつく出来事が何も起きなかった時にこの言葉を用います。
僕は幸せになりたいだけなんですけどね。
 
「何もしなければそりゃ何も起こらないでしょ」と
僕を知ったような口で語られない為に予め申し上げますが、
かつて僕も「何もなかった」を回避するため、行動を起こしたこともあったのです。
しかし行動にはメリットとデメリットが必ず存在していて、不思議な事に、
起こした行動のデメリットばかりが強調されて結果が返ってくる人生を送り続けた僕にとって、
いつの日か行動する事は、何かを失う事と同義となったのです。
 
そうして遂には部屋の隅で弱弱しいブログを書くことしかできない、生きる屍になった訳ですね。
そんなわけで、今回もよろしくお願いします。
 
 
さてさて、前回のブログは覚えていますでしょうか。
そもそも読んでいない方もいらっしゃると思いますので内容を説明しますと、
前回は僕のマスクに対する熱い思いを約2000字に渡って語らせていただきました。
要約すると「10年後も20年後もマスク付け続けるのは嫌だ!!!」とゴネる内容です。
 
で、そのブログを投稿してから数週間経ったわけですが、
そんな僕が先日目にしたのがとあるアンケートでした。
 
「コロナウイルスの新規感染者数が一ヵ月以上0人になったとして、マスクを外す?」
外す          29%
外さない        65%
周りを見て考える  6%
 
いやマジでふざけるんじゃねえぞカス共と
 
当然、このアンケートに参加した人は僕のブログなんて知らない訳ですが、
そんなことはどうでも良いのです。僕はこのブログを社会に対して発信しており、
それに対する社会の回答がこれであるならもう黙ってはいられません。
 
日本のありとあらゆるマスク工場を爆破して回っても良いのですが、
僕は平和主義者なので、とりあえず地元のを一つ爆破させて正気に戻りました。
 
それと同時に、マスクを日本人が外すように扇動を行うには、
お前らがバカすぎて普通に言っても伝わらねえから
もう少し違った角度から攻めるしかないなと考えたわけです。
 
現在の日本におけるマスクを強要される社会が今後10年20年と続けていった場合、
何が起こるだろうと自分なりに想像した結果、
海外から日本を取り扱ったドキュメンタリーが作られるんじゃないかなと思いました。
 
10年後の海外では、コロナは流石に収まっているでしょう。
恐らく終息から5年以上は経っていると思われます。
海の向こうでは早々にマスクを付けるという文化は忘れ去られ、
コロナという病気すらも、徐々に人々の記憶から薄れて消えていくでしょう。
 
 
「マスク大国JAPAN大特集」
取材班はすでにコロナが終息して数年以上経っているのに、
マスク、消毒、ソーシャルディスタンスを未だに叫び続ける国を見つけた。
 
その名はJAPAN(以下、日本)、ユーラシア大陸の東縁に位置しており、島国だ。
かつては地理的な不都合で発展が遅いとされたこともあったが、
果たして今回はどうだろうか?
 
取材班が日本に降り立つと、まず2週間の隔離が求められた。
コロナウイルス全盛期では多くの国が行っていた施策であったが、終息以後は数を減らしていき、
今ではもはや世界中で日本しか行っておらず、一周まわって名物とされている。
観光ガイドブックでも、暇つぶしとして隔離中に観光のルートを決めることが推奨されている。
 
そんな隔離の期間を終え、日本の街へと歩を進めた取材班が目にしたのは、
誰かに脅されているかのようにマスクを付けている日本国民の姿であった。
 
一方で、その眼は自らの行いに疑問を訴えることはなく、口を覆う薄っぺらな布1枚で、
本当にあらゆる外敵からの安全が保障されるのだと信じ切っている、純粋さを持っていた。
 
取材班はマスクを所持しておらず、
現地で調達する運びとなっていたため、まずはマスクの購入を行った。
5年前に日本で発足したマスク街へと向かうと、
そこには多種多様なマスクを取り扱った、マスク専門店が大量に立ち並んでいた。
 
種類はピンキリで、安いものは50枚セットで300円程のものから、
高いものは1枚10万円という一見法外な値段で売られているマスクも存在していた。
しかしこれには深い意味が……店員に聞いてみると、
「高いマスクを着けていると箔が付くということでお客様結構買われていきますね~~。」
 
我々が使用している時計でマウントを取り合うように、
日本では着用しているマスクでマウントを取り合う文化があるのだ。
日本のファッションを取り扱った雑誌ではマスクもコーディネートの一貫として、
最低でも1枚5000円のものを使用することがマナーとされている。
 
取材を行いながらマスク街を歩いていた取材班は、
自らに奇異の目が向けられていることに気が付いた。
 
「やだあの人たちマスク付けてないわよ…」
「ママーあの人たちなんでマスクつけてないの~?」「見ちゃいけません!」
「今時マスクも付けてないとか相当な世間知らずだな」「外人は遅れているからね、仕方ない」
 
こんな心無い声が向けられていたが、
こういったマスクの着用を絶対とした価値観がカメラに映る姿は滑稽で、
取材班はどこかいたたまれない気持ちになるのであった。
 
取材班は急いで1枚500円のマスクを人数分購入し、逃げるようにマスク街を後にした。
思えば、マスク街は日本でも屈指の意識高い系、通称マスカーの聖地とされており、
マスクに対して違う価値観を持つ我々が気軽に立ち入る場所ではなかったのかもしれない。
 
続いて取材班は住宅街の方へと向かった。
驚くことに、ここでも住民はみなマスクを付けて各々の生活を送っていた。
ここでとある市民にインタビューを行った。
 
どうして日本人はみなマスクを付けるのですか?
「どうしてなんでしょう、
気が付いたらマスクを付けてて当たり前、といった価値観が浸透していた気がします。
ごめんなさいちょっと消毒しますね。」
 
自宅にいるときもマスクを?
「それはもちろん、着けてないと不安になるんですよね、
ごめんなさいちょっと消毒しますね。」
 
そうなんですね、マスクを付けていない人をどう思いますか?
「最低限のマナー位守れよって思っちゃいます(笑)
ごめんなさいちょっと消毒しますね。」
 
そのマスクはどれくらいの値段で?
「1枚1万円です、周りと比べるとちょっと安物なんですけどね。
ごめんなさいちょっと消毒しますね。」
 
ありがとうございました。
「いえいえ、マスクについて調べているならここから北に車で3時間位進むと小屋があって、
そこに変な奴が住んでるから良いかもしれないですね。
ごめんなさいちょっと消毒しますね。」
 
その市民は親切で、普遍的な雰囲気を纏っていたが、
やはりマスクに対する価値観やその行動はどこか歪んでおり、
日本国民の価値観が既に独自の進化を遂げたことを裏付けるようであった。
 
取材班は、市民の言葉通りに北に進むことにした。
道中、マスクを付けていない人間は見当たらず、
町の広告もマスクを焦点を立てたものが多かった。
10年前に世界中で大流行したコロナウイルス、
その際の風習が形骸化し、生活と深く根付いてしまった日本、
彼らの向かう先はどこなのだろうか。
 
3時間程経った頃、目線の先に小屋が現れた。
外見はボロボロで、人が住んでいるようには見えないが、あれであってるのだろうか。
取材班は小屋の門を叩いた。
 
中から出てきたのは以外にも普通の男であった。
年は30を少し過ぎたあたりだろうか、しかし、何よりも取材班が驚いたことは、
その男(以下、K)がマスクを付けていなかったことである。
 
取材班の意図を伝えると、Kはつまらなさそうな顔をした後に取材に応じる事を認めた。
 
マスク、着けてないんですね。
「あれ息苦しんだよね。」
 
他の人からの目とかは大丈夫なんですか?
「大丈夫なわけないでしょ、だからここに住んでんの。」
 
そこまで嫌なら海外に移住とか考えなかったのですか?
「英語の基本5文系すら良く分かってないから無理だった。」
 
ご家族はいるんですか?
「結婚はしてないよ、出来ないでしょ。」
 
Kは息苦しさからマスクの着用を拒否し、英語が分からないために海外移住も出来ず、
今日までこの狭い小屋で生活を送っていたのである。
そんな彼は基本的にインターネット活動で生計を立てており、
必要なものも通販を使う事で人との関わりを極力避ける、
そんな生きる屍の様な生活をしていた。
 
こんな所に住んでて何か印象的な事って起こるんですか?
「今年も何もなかったね。幸せにはなれそうもないよ。」
 
何もしなければそりゃ何も起こらないのでは…?
「ハアア~~~????うるせえ!
知ったような口聞いてんじゃねえぞ!オイ!」
 
Kは突如激昂し、取材班に掴みかかろうとした。
彼の執念は凄まじく、その場を立ち去ろうとした取材班を4時間以上追い回した。
 
追いかけてくるKの姿も見えなくなり、
すっかり精魂疲れ果てた取材班は、撮影を切り上げ、帰国するのであった。
帰りの飛行機で考えることはKの事であった。
Kはマスクファーストと呼ばれる日本において、マスクを嫌悪し、孤独な生活を送っていたが、
だからと言って牧歌的な生き方をしていたとはとても言えなかった。
 
あの激昂具合を見るに、方向性は違えどKもまたマスクに思考を破壊されており、
他の市民同様に、歪んだ価値観を持って社会を生きる一成員に過ぎなかったのである。
もはや日本において、マスクに囚われない生き方をしている人間は居らず、
これらは切っても切れない関係となってしまったのかもしれない…。
 
次回は「ゲームは一日一時間!独立国香川特集」です、ぜひご覧ください……
 
 
な?
どうですか、10年後日本を題材にこんな特集が組まれたら嫌じゃないですか?
このままだとこうなる可能性も十分にあるって話です。
さあさあ、みなさんマスクは外しましょうね。
 
 
それはそうと、今年ももう終わりですね。
クリスマスを目標にもう一本ブログを書く予定ですが、
そういって書けた試しがないので多分これが今年最後になります。
 
今年の上半期はほとんどブログを書かず、
下半期も月一とは言えない更新頻度でしたが、お付き合いありがとうございました。
来年も細々とやったりやらなかったりすると思うので、今後もKをよろしくお願いします。
来年こそユーチューバーになりたいと思います。
 
お疲れ様でした、よいお年を。