繰り返されるシャープの過ち(8月11日 日経ビジネスオンライン) | 開示の杜_dpro2015

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繰り返されるシャープの過ち

予想通り、かつ予想外の決算報告


 経営危機が続くシャープが発表した2015年4~6月期連結決算は、予想通りにさえない数字が並んだ。だが、その一方で、いくつかの「予想外」もあった。その内容とは──。

 ソニーのOBで、国内外のエレクトロニクス企業の経営に詳しい長内厚・早稲田大学ビジネススクール准教授(専門は技術経営・経営戦略論)が分析する。


 7月31日、シャープの2015年4~6月期連結決算が発表された。連結売上高は前年同期とほぼ同額だったものの、連結最終損益は339億円の赤字と、第1四半期として5年連続の最終赤字。連結営業損益も287億円の赤字(前年同期は46億円の黒字)に転じた。だが、これ自体は大方の予想の範疇であろう。


 予想外の1つは、構造改革を進めて、今年度中に営業損益を黒字にするという点である。今回の営業赤字は特定の事業の大幅な赤字がほかの事業の足を引っ張って生じたものではない。発表資料の部門別営業損益を見ると、同社の主力事業が軒並み赤字に陥っている。


 特定の部門だけが赤字というのであれば、事業の撤退・縮小によって早期の業績回復も見込める。しかし、同社自身が「柱だ」と思い込んでいる液晶事業をはじめ、多くの部門で赤字を計上している。回りくどく「柱だと思い込んでいる」とした表現については、改めて述べたい。


 むしろ、前年同期比で連結売上高が同程度であるにもかかわらず、主力事業が軒並み営業赤字に陥っているのは、同社の主力製品で全体的にコモディティー(汎用品)化が進んでいると解釈できる。


 シャープだけがたたき売りをしたという側面もあるのかもしれないが、液晶パネルやデジタル家電などのコモディティー化は、昨年に中国の小米(シャオミ)の携帯電話事業の躍進によって韓国サムスン電子やソニーの携帯電話事業が赤字に転落したのと同様に、業界全体の構造的問題である。1社の努力だけでそう易々と改善できるものではない。


■人員を削減する一方で工場は温存する甘さ

 特に、くどいようだが、同社が事業の柱だと思い込んでいる液晶パネル事業は、装置産業であり、固定費の割合が大きい。構造改革を進めたところで数を売らなければならない。数を売ることは、当然ながら価格を下落させる方向に働く。たとえ売り上げを維持、あるいは増加させることができたとしても、利益率の改善につながるかは疑問だ。


 しかも、ここで論じているのは、営業利益であって経常利益ではない。工場や事業の売却益は含まれないはずである。もう少し突っ込んで言えば、シャープは海外市場からの撤退を進めているようだが、2015年3月期連結決算の発表記者会見では、国内で希望退職の募集を通じて3500人規模の人員を削減する一方で、国内工場の閉鎖は行わないと高橋興三社長は明言した。旧テレビ事業部の拠点であり、最も閉鎖の可能性が高いといわれていた栃木県矢板市の工場も残す。


 これは複数の記者から聞いた話である。彼らは一様に「それじゃ、一体どこを切るんだ?」とあきれたのが印象深かった。今回の第1四半期決算の発表会見に参加した記者からも、「先が見えてこない」という声が聞かれた。


続き

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/080700066/


(出処 : 8月11日 日経ビジネスオンライン)


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