僕の乗り込んだ寝台列車は二段ベッドになっていて、僕のシートは上段だった。
窮屈な場所だがそれなりに清潔なシーツと枕。
少し肌寒いくらいの冷房の風は遠く離れた日本の快適な生活を思い出させた。
ガタンゴトンと揺れる車内は特にする事がなく僕は自然と同じ車両に乗り合わせたメンバーと仲良くなった。
僕の下段でガイドブックとにらめっこしているガタイの良い男はスウェーデン人のヘンリック。
真向かいの上段と下段にいるのはマレーシア人の兄弟、サイフー(兄)とワン(弟)だ。
見た感じ同い年くらいだろうか?
その他にも韓国人やフィリピン人やシンガポール人など。
ここは異文化コミュニケーション会場の様だ。
僕はおぼつかない英語で必死で会話した。
自分の事や日本の文化を一生懸命説明した。
どれだけ理解してもらったのか解らないけど僕はとにかく全力だった。
これでいいんだ。
英語が話せないからって端っこで縮こまってろってのか?
冗談じゃねぇ。
遠慮なんかしてても全く自分の為になんかならない。
自からドンドン前に出て行かなくっちゃ一人ぼっちで海外に来た意味がない。
俺は早く成長しなくちゃならねぇんだ!!
俺はこの先、一人で生きていかなアカンようになる。
辛いけどオカンと一緒に過ごせる時間はほとんど無いだろう。
僕は変わりたくてしょうがなかった。
だから僕は相手の懐に飛び込むような気持ちで海外にいる間は全身全霊で物事に挑んでいった。
つづく




