次兄の子どもは生まれたときに
二十歳まで生きられない。
と余命宣告を受けていた。
重度の心臓病に付随して
内臓の一部にも異常がある。
定期的なカテーテル検査や手術、
毎日の投薬や運動制限は様々あって
疲れてくると唇が青ざめてくる。
ただ、負担をかけなければ
通常の生活は送れて
学校も行っており、今は大学生。
いつも手術の時は、万が一を考えて
来られる人は控え室にいて。
とコロナ前までは言われていた。
カモネギはそれに1度も来なかった。
クソ義姉がワーワーバカみたいに大騒ぎして
数時間に及ぶ手術中もわきまえずに
下ネタや、カネの話、息子の自慢しか
しないのはみんなわかっていたので、
カモネギだけ来い。と伝えると
コイツはなぜか、クソ義姉も来たがっていると
普段は夫婦の会話がないくせに言い出す。
義姉がついてくると
次兄の奥さんにマウントを取り
｢手術、クソ長くね？今回、だめなんじゃない｣と、
ひたすらあおり、
大あくびをして待ち合い室で爆睡したり、
数分おきにタバコを吸いに行く。
｢手術終わったらお父さん、なに食べるの？
ステーキいっちゃう？｣
と、ひっぱたいても許せない発言をする。
次兄夫婦がどれほどつらい時間を過ごして
手術が無事に終わるか祈っているなんて
少ない脳みそにはまったく浮かばない。
肝心のカモネギ自身は仕事が休めないと言って
来ない。
自分の弟の子どもの命がかかっていても。
義姉は母のガンの手術の際も
突然、現れて
ICUから病棟に戻ってきたのを狙って
｢お父さん(私の父)がお金を貸してくれない！
嫁と娘の差別をやめさせろ｣
と、大騒ぎして、
病院から連絡が来て
慌てて駆けつけるも消えていなくなる。
こんなことばかりされてきたので
次兄の子どもの手術や、両親の入院の際には
カモネギに誰も連絡しなくなった。
カモネギ的にはこれを
｢自分だけ、のけ者扱い。俺は長男なのに｣
と吐き捨てる。
今まで長男らしいことをしてきたことが
1度でもあるのか。
カモネギが義姉と別居中、
離婚の意思をちらつかせはじめて
ようやく正気に戻ってきたのか。とは思った。
そんななかで、
次兄の子どもの体調が悪化した。