カモネギ⑩DNA 鑑定結果を知った息子の気持ち | 結婚生活のリアル。子育て世代取扱説明書

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喫茶店の静かな隅で、
カモネギと義姉が向かい合って座っていた。

混乱し、キレまくる妻に
カモネギはコーヒーカップを手にしながら、口を開いた。

「今回の結果について考えると、信じられない気持ちだ。
20年、俺も疑いながら暮らしては来たが
息子は自分の子だ、きちんと最後まで育てると思いながら接してきた。

息子を我が子じゃないと思いながら育ててきたことは苦しかった。
だが、鑑定結果をみると
息子に対してなんてひどい父親だったと後悔しているよ。

あいつが誰にも似ていない。といわれる度……
いや、もっと前だ。
おまえが妊娠を告げた時に
信じられない気持ちがいつも、心のなかで渦巻いていた。

息子に完全に心を許さず、距離を取る自分がいたのは事実だよ。

あいつは……口には出さなくても気づいていて
そんな俺を軽蔑しているだろうな。

おまえはもう、浮気相手の子どもではない息子を育てる気はないと見えるが。
それでいいか」

義姉はギラギラ光る目でカモネギを睨み付けながら口を開く。

「こんな、誰が小細工したかわからない用紙一枚で信じるわけ、ねーだろうが!!
テメーの妹がなんか1枚、噛んでるんだろう!
おまえの子どもなんてふざけんじゃねぇ!」


 

 

 

 

その時、喫茶店の入り口から息子が姿を現した。

息子の表情には混乱と悲しみが交錯していた。
彼は静かに二人の席に近づき、感情を吐露した。

「お父さん、お母さん...僕、今まで信じてきたことが全部嘘だったんだ。

僕はケンちゃんおじさんを小学生の頃から
自分の本当のお父さんだと思って暮らしてきたから。

まさか、お父さんがホンモノだったなんて
鑑定書をみるまで思わなかったよ。

お母さんは、僕を嫌いになった?」