マダムが来た。
「のぇるさん、竹やぶの竹の子が隣の敷地に生えたらってお話、知ってらっしゃいますのん?」
いきなりぶっこまれる民法の
根と枝 論争(爆)
隣の家の枝は竹木の所有者に枝を切ってくれという請求権があるだけで
無断で勝手に切ることはできないが
根については、「隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。」(民法233条2項)となっていて、
隣の竹の根が地中を這って、タケノコとして自分の土地に出てきた場合、無断で勝手に切ることができる。
「マダムさんのお宅にタケノコ生えたんですか?
うちにもわけて欲しい……」
「ちがいますのん。
家庭菜園のトマトときゅうりの話ですの」
「すいません、野菜の育て方はわからないです。」
「隣の方がね、わたくしと同じで家庭菜園をしてますのん。
そこの花粉が受粉したらうちのだ!っていってきたんですのん」
新しいパターンすぎる……。
マダム家の野菜に隣家の野菜の花粉が飛んできて権利主張とか正気の沙汰ではない。
「隣の方の花粉かどうか判断つく話なんですか……。
境界線から50cm離れたところに
お互い植えてりゃ、
気合いはいったトマトなら花粉が飛ぶかもしれないですけど……
でも誰にも証明できないと思われ……
そもそもトマトとかって自家受粉で
その花のなかで完結するのでは……」
「ハチさんが運んでくるんじゃないんですのん?」
「ハチさんが運んでくるかどうかは
ハチ次第というか……」
病み上がり中のこれ系の質問はこたえる……。
「では、わたくしの家で実った野菜は
わたくしのです!といってくださらない?
隣の方に」
「……あの。。。
私にいわせる系はそろそろやめていただけませんか。。。」
「のぇるさんは法律にお強いから大丈夫ですの。
トマト、なったらお裾分けしますよ」
「いや、ボランティアではやってないので……
ハチまでカウントしたら家庭菜園ってかなり
ハードル高いですよねぇ……
そんなの言ってたら、新品種パラダイスになるわけで
例えばですけど
スイカにいくら頑張って
気合いの入ったハチさんがメロンの花粉を運んでくれても
スイカメロン爆誕!とはならないですよね。。
そもそもハチの所有者は誰でもないというか……」
「なるほど!ハチさんは、みんなのもの。と!」
ハチはみんなのもの……。