全てがバカバカしく思えた。
子離れしない義母に振り回される。
親離れしないマザコン夫と幾度となく
話し合っても解決することもなく
嫌なことがあれば
義母は逃げ、
夫も子供たちを忘れて保身に走る。
なんとか
「家庭」を維持しようと
必死だったのは私だけなんだ。
義母の攻撃にずっと耐えて
馬鹿な夫と無駄な争いをし
奴らはやりたい放題で、
尻ぬぐいばかりさせられてきた。
あの２人は当たり前のように
私を攻撃し、
私はそれを真っ向から受け
悩み、苦しみ
結果的に私だけが
奴らがばらまいた問題の
後始末だけする構図が
ずっと出来上がっていたこと
を、享受していた。
どうやったら歩み寄れるのか。
穏便に解決するにはどうしたらいいのか。
私が我慢すれば済むのか
私自身に問題があるのではないか
相手の気持ちを理解しようと
心を砕き、
限界まで我慢をし、
自分自身が精神異常なのかと
責めた毎日。
こんなのおかしい！
おかしい！
おかしい！
アイツらは私と歩み寄ろうと
したことなんか一度も無い！
私は帰宅すると
クローゼットを占領する
義母から送り付けられた
「愛する息子の思い出の品」
やら、
訳のわからないゴミのような
悪趣味のものを
次々にゴミ袋に投げ込み始めた
食品庫の中にも
義母が旅行先で買ってきて
放置してあった食料品。
捨てると夫が「あれはどこいった？」
と聞いてくるから
捨てることすら出来なかった。
それらを分別するのも耐えがたく
片っ端からゴミ袋に詰めた
義母が夫に宛てて書いた手紙も
たくさん出てきた。
義母が関わった全ての「物」
を、
私はどんどんどんどん
ゴミ袋に投げ入れ、それを踏みつけて
原型をとどめることも許さなかった。
長年、家の中に牛耳っていた
無言の抑圧感を手放す。
何十袋ものゴミを
玄関の廊下に投げつける。
壁が傷つこうが
床がへこもうが構わなかった。
私は泣きながら
義母の息のかかったゴミを
壁に投げつけた。
カビだらけの夫の幼少期のものが
無くなったクローゼットは
床に埃が積もり
壁はカビていた。
丁寧に雑巾で拭き取り、
カビ取り材をした後、
消毒液をばらまいた。
がらんとした部屋。
義母に浸食された生活を
私は初めて破壊した。