本日3回目を見てきまして、やっと落ち着いて感想が書けそうです。
ネタバレありますので、ご注意ください。
去年のクリスマスにプレゼントのように発表されたこの映画。
デビクロくん部分がアニメになると知り、ちょっぴり不安な気持ちもあったのですが、
実際に見て、その不安はなくなりました。
アニメの部分も物語にうまくなじんで、そんなに違和感を感じることもなく。
なによりも、作品自体がとても暖かく優しく、素敵な物語になっていたのが嬉しい。
相葉さんのように優しい、ハートフルな作品でした。
見終ってまず思ったのは、「やっとか」「遅いよ」でした。
劇中に出てこなかったけど、杏奈と光の小学校からの同級生の心の叫びです。
北山は杏奈を知らなかったようだから、大学は別だったみたいだけど、
間違いなく小、中学校は一緒。おそろく高校も同じだったんじゃないでしょうか。
そこで、クラスメイトは見ているわけですよね。
杏奈が甲斐甲斐しく光の面倒を見ているのを。
「光、忘れものはない?」「光、給食のトマト食べてあげるよ」
それは、小学校だけじゃなく、中学、高校と続くわけで。
それをずっと見せられていた同級生たちは、この2人がくっついたと聞いて
まず「やっと…」と思ったでしょうね。
それくらいこの2人は、初めから両片想いでした。
杏奈は自覚していたけど、光だって無自覚だけど杏奈を特別扱いしてましたよね。
杏奈曰く「相手から告白されてつきあった」ことはあるけれど、
おそらく彼女がいるときでも、クリスマスは杏奈とケーキを食べてたんじゃないかな。
それで結局彼女から振られる。
いつだって杏奈>彼女だったんでしょうね。
幼馴染のしっかり者の杏奈にいつも頼ってばかりの、ちょっと情けない光。
口癖が「すみません」で、ソヨンにも「ハト」とか言われてしまう。
実在したら、喝を入れたくなるくらいだけど、相葉さんが演じるとそれすらも愛しくなってしまう。
光の子供のような純粋無垢さを、相葉さんだからこそ体現できたんでしょうね。
それに、光が時折見せる寂しく、悲しい表情がとてもよかった。
誰に何を言われても、いつも笑顔でいる光だけど、傷ついていないわけじゃない。
決して表に見せることのない光の闇の一部分を垣間見ることができる。
光だって、今の自分に満足しているわけじゃないのは、
ソヨンに出会ったときに、「これで変われるかもしれない」と言っていたことでもわかります。
だけど、きっかけがなかったり、気が弱かったりして、ズルズルと続けてしまっていた。
そんな光が言う「運命の人」。
恋愛という意味ではソヨンは運命の人ではなかったけれど、
光の時が動いたという意味では、ソヨンと出会ったはの運命ともいえる。
だって、ソヨンと出会わなければ、光と杏奈の関係は変わらないままだったのだから。
そして、光の面倒をずっと見ていた杏奈。
榮倉さんの演技がすっごい良かった。
光を思う杏奈の切なさがひしひしと伝わってきました。
ソヨンが好きな光を応援して、光の前では元気にふるまうんだけど、
1人の時の憂いを帯びた表情がとてもよかった。
物語の途中からは、光より杏奈に感情移入をしてしまって、すごく切なかったです。
小さい頃に光のことを応援すると約束したから、自分の想いよりも、光の恋を応援する杏奈が、
すごくけなげで、榮倉さんの好演もあって、本当に泣けてきました。
鈍感すぎる光がもう、じれったいじれったい。
ラスト近くの本屋さんの場面で。
杏奈が感情を爆発させる場面があるんですが、
光のことを言っているようで、実は全部自分のことなんですよね。
そこでようやく光は気づくんですよ。杏奈の想いに。
もう、「遅いよ!」と本当に突っ込みたかった。
だって、店長だって杏奈の想いに気づいてましたよ。
だけど、おそらく、お父さんが死んだとき以来の杏奈の涙を見て、
光の中の何かが変わったというか、スイッチが入った。
その時の相葉さんの表情がよかった。
まだどこか頼りないんだけど、決意した表情がよかったです。
まあ、この後の場面は普通電車かタクシーだろうと思わなくもなかったけれど、
イルミネーションの彩られた街は綺麗でした。
そして、デビクロくんのミラクルで、なんとか間に合った光。
杏奈の前に現れた光は、今までの気弱な光じゃなくて、
少しだけ男らしくなった光くんがいました。
想いが通じ合って、2人で手を繋いでモニターを見上げるラストシーンの
2人の表情が本当に良かった。
いつもの2人だけど、今までとは関係が変わったのが、その表情だけでわかります。
映画の本編はここで終わりだけど、光と杏奈のこれからは簡単に想像することができる。
ソヨンと北山の住むマンションに、本社勤務になってすこししっかりした光が遊びに行く。
北山と光は漫画談義。
ソヨンは、パリの杏奈と次のイベントの打ち合わせ。
光のバッグには、とったばかりのパスポートが入っていて、今度の休日には、パリに行く。
そんな幸せな未来。
登場人物に1人も悪者がいなくて、みんないい人ばかり。
最後はみんなが幸せになって、見ているこちらも幸せな気分になれる。
いわゆる大作とかではないけれども、そんな優しく暖かい作品は、
相葉さんにお似合いだし、まさに相葉雅紀そのものだと思いました。
そしてこの映画は相葉さんから私たちファンへの素敵なクリスマスプレゼントになりました。