さくさく読書日記-冷たい熱帯魚

ずっと気になりつつ、観る勇気が出なかった映画。

えいっと借りてみました。


小さな熱帯魚店を営む社本は、娘と、再婚した妻の不仲に悩んでいた。

そんなあるとき、娘の万引きが発覚する。

家族の確執に向き合わず逃げ続けた結果の娘の不祥事。

窮地に陥った社本を救ったのは、大型熱帯魚店を営む村田だった。

その後、村田は、家庭内の不和を見破り、娘をバイトとして

雇い入れるなど、親切なふるまいをする。

そんな状況の下、社本と村田夫妻との交流が始まるが、

それは地獄への第一歩だった・・・。


すごい映画でした。

こんな映画、今まで見たことないかも。

20年ほど前に起こった、埼玉県愛犬家連続殺人事件をベースとした

この映画。

なんと舞台は、わが故郷、静岡ではありませんか!!

ことあるごとに写る、美しい富士山。

なじみの風景のもとで行われる残虐な犯行を、ついつい最後まで

見てしまいました。

夜寝る前に見るべきではなかった・・・。

せめて、昼間の明るいうちに見ればよかった・・・と後悔しきり。

悪魔のような大型熱帯魚店を営む村田役のでんでんさん、

いろんなドラマや映画で脇役で出てるので、顔は知ってました。

けっこうアクの強いおじさんの役が多い人ですよね。

そのでんでんさんの怪演っぷりが見もの。

その演技に釘付けになり、息もつかせぬ・・・という感じ。

それにしても、人ってここまで残虐になれるんですね。

もとになった事件も相当すごかったみたいです。

いやぁ、衝撃的。感動とかそういうものは一切ない。

ただただ、人間の悪の部分がすごい形でむきだしになっていて、

本当に気分が悪くなります。

いろんなレビューでそういう感想を見てたので、気になってたけど、

観る勇気がなかった・・・観てしまったことをちょっと後悔してるくらい。

なんだか、夢に出てきそう。

受け付けられないと思いつつ、なんだか強烈な印象が残って、

忘れられない映画になりそうです。


これから観られる方、本当に覚悟して観て下さい。

本来なら、癒されるはずの美しい富士山の映像ですら、

不吉なものに見えてしまうくらいの映画でした。

ある意味あっぱれな作品だと思います。

園監督の新作、「ヒミズ」を見たいと思ってたけど、

ちょっと躊躇しちゃうなー・・・。


さくさく読書日記-あつあつを召し上がれ

小川糸さんの本を久しぶりに読みました。


食にまつわる7つの短編集。

どのお話も料理の描写がとてもおいしそうで、

食べたくなりました。


おいしい食べ物の描写というと、なんだかほっこり、シアワセな

雰囲気を思い浮かべてしまいますが、全体を通して共通しているのは、

「最後の食卓」。

「死」もありますが、恋人と別れるときの最後の食事だったり、

嫁入り前の娘との最後の食卓だったり・・・。

ちょっとした切なさを含んだお話ばかり。



中でも特に印象に残ったのが、「こーちゃんのおみそ汁」というお話。

若くして死の病に冒されたお母さんが、幼い娘が将来困らないよう家事や味噌汁の作り方を

徹底的に教え込む・・・というお話なのですが、お母さんの本心は、

結婚するときにお父さんとかわした「毎日、おみそ汁をつくります」という約束を、

他の女性にではなく、娘に託したかった・・・という、切ない思いが詰まっていました。

私、怠け者なので、お味噌汁の出汁は、だしのもとか、削り節を使ってしまいますが、

これを呼んで、いりこで丁寧に出汁を取った味噌汁を作りたくなりました。

あと、「おやじのぶたばら飯」に出てくる、中華街の食堂の料理はどれもヨダレが出るほどおいしそうで、

寝る前に読んでいるのに、おなかがグーグー鳴ってしまいました。

本当に、食べ物の描写がうまい作家さんです。


唯一、フランスを舞台にした「ポルクの晩餐」というお話だけ、お料理はもちろん美味しそうなんだけど、

話自体がイマイチ理解できなかった・・・。



でもでも、どのお話も本当に出てくる食べ物がおいしそう過ぎて、おなかは鳴りっぱなしでした。









さくさく読書日記-本日は大安なり

NHKドラマを見ていて、原作が読みたくなり、

貸本屋さんで借りました。

この作家さん、初挑戦です。



大安の日に老舗ホテル・アールマティで行われる、4組の結婚式。

双子の姉妹は、一世一代の賭けに出て、ウェディングプランナーは

わがままな新婦に振り回され、リングボーイをつとめるはずの小学生は落ち着かず、

そして、秘密を抱えた新郎はある行動に出ようとしていた・・・。



ドラマを見るともなく見ていたら、面白くてけっこうハマってしまい、

原作が読みたくなったところ、運よく貸本屋さんで見つけました。

ドラマと原作、若干内容は違いますが、それでもウェディングプランナーの山井さんは、

完全に優香さんをイメージして読み進めました。



一番じーんとしたのは、小学生の真空のお話。

大好きな叔母・りえちゃんの結婚式でリングボーイを頼まれた真空。

ダンナさんになる東くんは、真空の家族からの評判が悪く、日常的に東くんの

悪口を聞いていたのもあり、さらに、りえちゃんと東くんの勤務先に遊びに行ったとき、

東くんと同僚の女の人が、なにやらよからぬ相談をしていたのを耳にしてしまい、

りえちゃんの結婚式をなんとか中止させようと、衣装の一部であるカチューシャを隠してしまいます。

なんとかしてりえちゃんを東くんから守らなければ!!と焦る真空。

でも、結末は思いがけず感動的。

最後の真空の東くんへの語りかけはホロリときてしまいました。

子供の純粋な心がうまく描かれています。




結婚式ってなんにでも縁起をかつぐから、ついついあれもこれも・・・となると、

大変な金額になってしまう。私も一応経験しているので、なにを妥協すべきか、

なにを優先するのか、本当に悩ましいものです。

プランナーという仕事も、ストレスたまるんだろうなー。大変な仕事ですよね。

でも、山井さんや岬さんのようなプランナーに恵まれたら、それだけで幸せだと思います。


もっと読むのに時間がかかると思ってましたが、思った以上に面白く、あっという間に読了してました。

ドラマはまだまだこれからが佳境です。こちらも楽しみに見たいと思います。