小川糸さんの本を久しぶりに読みました。
食にまつわる7つの短編集。
どのお話も料理の描写がとてもおいしそうで、
食べたくなりました。
おいしい食べ物の描写というと、なんだかほっこり、シアワセな
雰囲気を思い浮かべてしまいますが、全体を通して共通しているのは、
「最後の食卓」。
「死」もありますが、恋人と別れるときの最後の食事だったり、
嫁入り前の娘との最後の食卓だったり・・・。
ちょっとした切なさを含んだお話ばかり。
中でも特に印象に残ったのが、「こーちゃんのおみそ汁」というお話。
若くして死の病に冒されたお母さんが、幼い娘が将来困らないよう家事や味噌汁の作り方を
徹底的に教え込む・・・というお話なのですが、お母さんの本心は、
結婚するときにお父さんとかわした「毎日、おみそ汁をつくります」という約束を、
他の女性にではなく、娘に託したかった・・・という、切ない思いが詰まっていました。
私、怠け者なので、お味噌汁の出汁は、だしのもとか、削り節を使ってしまいますが、
これを呼んで、いりこで丁寧に出汁を取った味噌汁を作りたくなりました。
あと、「おやじのぶたばら飯」に出てくる、中華街の食堂の料理はどれもヨダレが出るほどおいしそうで、
寝る前に読んでいるのに、おなかがグーグー鳴ってしまいました。
本当に、食べ物の描写がうまい作家さんです。
唯一、フランスを舞台にした「ポルクの晩餐」というお話だけ、お料理はもちろん美味しそうなんだけど、
話自体がイマイチ理解できなかった・・・。
でもでも、どのお話も本当に出てくる食べ物がおいしそう過ぎて、おなかは鳴りっぱなしでした。
