女優のジェニファー・ジョーンズさんが亡くなった。90歳。
十分生きた、と思う。きれいな女優さんだった。
代表作は「慕情/Love is a Many-Splendored Thing 」か。
アメリカ人ジャーナリストと香港に暮らす中国人女性の悲恋物語だ。
ジェニファーの中国人メイクは無理があったが、当時はそれはそれで
アジア人の雰囲気を演じたことだろう。
ウィリアム・ホールデンが劇中で
手を握り「バリの踊り子のような手だ」と言う台詞に
彼女は「男の人の手を恐れていたわ」という受け応えがある。
素敵な受け応えだ。
お二人とも鬼籍に入ったわけだが、
ともに晩年は裕福で、生活に何ひとつ困ることなく過ごされたことがうらやましい。
そうそう、「慕情」のテーマミュージックは20世紀の映画音楽の中でも
ベスト10に入る名作だと思う。
彼女の死で、また素敵な20世紀が終わっていく。