マーキュリー・クーガーはフォード・モーターの
インターミディエイトクラスを担っていたクルマだ。
60年代当時、マスタングの車台を流用してデビューし、
70年代に入るとサンダーバードと共用の車台に変更された。
この大きさにもかかわらず、当初はアメリカではポニー・カー(子馬)に分類され、
70年代に入ると巨大化していった。
CM にはデビューしたてのファラ・フォーセット(当時はリー・メジャースの奥さんだったので、
ファラ・フォーセット・メジャース)を起用している。
70年代のセックス・イコンというだけあって、そのゴージャスな髪型はいまでもインパクトあり!
で、件のファラ・フォーセット、直腸癌(アナル・キャンサーって何か間抜け?)を克服したが、
今年になって肝臓への転移が発見され、かなり状態が悪いらしい。
かつて同棲し別れた俳優のライアン・オニールがパートナーとして
献身的な看護を行っているという。
フォード・マーキュリーに話を戻すと、このクルマ、当初は男向けに売り出したのだが
販売成績が芳しくなく、リッチな女性向けに切り換えて訴求した。
フォードのラインナップにおいて、マスタングは若者、マーキュリーは女性、
サンダーバードは大人の男性という棲み分けをしていた時期がある。
ファラの広告はちょうどその頃(70年代中期)に制作されたものだろう。
で、実際はどういう人たちに人気があったかというと、アフロ・アメリカンの男たちだった。
70年代のブラック・ムービーを観ていると、「ポン引き」みたいな役柄の男が
マーキュリー・クーガーに乗っているイメージがある。確かに内装は豪華だが、
ちょっと下品。趣味はあまり良くない。日本で言うヤンキー感覚に近いノリを持つ
アフロ・アメリカンの男たちは、さすが!そういうセンスを見逃さない。
