50年代に活躍した有名なイラストレーター、ドン・ルポの仕事。
このキャンペーンで使われたイラストは、すべて実際に写真撮影した
ものから絵を起こしているそうだ。
言いたいことを真っ正面からシンプルに伝えているキャンペーンで、
何がいいかというと、作業員と思われるゼネラルテレフォンシステム社の
現場スタッフを全面に出して描いているところだ。
50年代~60年代のアメリカンアドには「働く人」がたびたび登場する。
ワークウエアにワークブーツ、あるいは作業道具を身につけたスタイルで、
活き活きと仕事をしている。現場の人間が輝いていた。
だから、世界最高峰の製品を造っていたし、
サービスだって次々と新機軸を打ち出して行ったように思う。
それが、現場を知らない人、現場になんかに行かない人がビジネスの
中核を担うようになったり、働く人の地位向上とかいう大儀の下、
現場から働く人を遠ざけるようなユニオン(それを仕切っている人は現場をさげすむ)が
チカラをつけるよになってから、アメリカの現場はどんどんすさんでいったようだ。
それにしても、3枚目のクリスマスギフトに色つき電話機を、という広告は
出来のいい映画のポスターのようでカッコいい。