映画と演劇 | 平岡秀幸 ・ ブログで読む演技論

平岡秀幸 ・ ブログで読む演技論

京都を中心に演劇活動をしています。
演劇、特に演技について、
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 映画「おとなのけんか」は演劇にしたい作品だ。

 とは言っても、役者がそろわなければくだらない作品になるだろう。

 ストーリーの展開よりも役者の演技で見せなければならない。

 この映画も、この出演者四人がそろったからできた作品だと思う。

 もちろん監督の手腕もあっただろうが。

 

 映画はやはり監督の存在が大きい。

 映像作品は、監督がその世界をどうとらえるかが、カメラを通して描かれる。

 長尺のフィルム(この頃は使いませんが)に監督がハサミを入れ、思うように編集する。

 せっかくの出番をカットされることもある。

 *これ、つらいよ~!

 

 生の舞台は、やはり役者の力量が問われる。

 

 ピーター・ブルックも同じようなことをどこかで言っていた。

 ピーター・ブルック演出の舞台をいくつか観たが、俳優たちは確かにそこに居る。

 装置が何もない舞台だが、俳優の身体を通して世界が作られている。

 逆の見方をすれば、その世界の人として俳優たちはそこに居る。

 

 最近映画はレンタルで良く見るが、劇場にはとんと足が向かなくなった。

 コロナ以前からだ。

 役者がしっかりとそこに居る芝居が観たい。

 いや、やりたい!