前回の続きです。

やっとのことで卓球のボールを手に入れ、近くの体育館に行き、球を打ち始めました。

伸一、なかなかうまいです。

じゃ、試合をしよう、ということになり、早速プレイボール(?)です。l


試合では、まだまだ私の敵ではありません。

私はカットなし、打ちやすいサーブ、21点対10点のハンディ戦ですが、それでも負けません。

伸一は、何度もサーブのミスをしています。(おまけで再チャレンジOKという特別ルールを途中から採用)

落ち着いて打てば難しくもなんともないのに。

スマッシュもそうです。

無理なボールを強くたたいて、後ろの壁に一直線。それも、自分が不利になると、無謀なスマッシュを繰り返します。

なんだか期待はずれというか、予想通りというか。


それでも、何試合もしているうちに、だんだん試合慣れして、うまくなってきます。

こちらも、決めたルールの中でだんだん本気になったりして。

私がくたびれてもうやめよう、と言うころにはなかなかいい試合ができるようになっていました。


伸一が小学生のころ、テニスに連れ出したことがあります。

あの時も、ラリーができるというほどにはなれなかったのですが、初めてラケットを握ったにしてはなかなかうまく打てると思いました。

伸一は図画工作も得意なので、たぶん手先が器用で、物覚えがはやいのだと思います。

初物に強いというか、初めて行うスポーツが、割とうまくできるのも、器用だからなのでしょう。

たぶんサッカーもそうだったのでしょう。

でも。

いつまでもサッカーや卓球、テニスがうまいかというと、?です。

同じように練習した場合、たぶん何ヶ月、あるいは何年というスパンで見ると、結局は身体能力で上回る子達に追い越されてしまうでしょう。

それでもいいです。

スポーツを楽しむことができるのなら、それでいいのです。

伸一が卓球をしたいというので、行ってきました。


ラケットはあるのですが、ボールがないので、まずはいつもお世話になっているスポーツ用品店にボールを買いに行きました。

すると。

卓球のボールは置いてないので、取り寄せになってしまうとのこと。

ええー!

昔は卓球のラケットやボールくらい、どこにでも置いてあったのに。

仕方なく、近くの大型ホームセンターへ。

そこのちゃちなスポーツ用品売り場へ行ってみましたが、やっぱりありません。

大きな卓球台とラケットとボールがセットになったものだけ売っていました。

仕方がないので、またまた近くのデパートのスポーツ用品売り場へ。

あったあった、ありました。

やっと卓球のボールゲット。

それ以上遠くまでわざわざ行くほどの事でもないから、ここでなかったら卓球は諦めようといっていたので、ほっと一安心。


体育の授業でしただけだというので、あまり期待はしていませんでした。

ところが、打ち始めてみると、伸一、結構うまく打ちます。パチンとスマッシュを決めたりもします。

「結構打てるじゃん」

と、私。

「じゃ、試合しよう」

「いいよ」

伸一は自信ありげです。

でも素人に伸一に負けてたまるか。(私も素人ですが)


ということで、早速試合開始!

は次回です。

前回の続きです。


伸一が小学生だったころのことを思い出してみると・・


いつもボールの付近にいて、ボールに絡むことが多かったです。

でも、サッカーを始めて1年くらいしか経っていない子たちのチームだとしても、だいたいのポジションが決まっていたはずです。

伸一は自分のポジションも忘れて走り回っていた?

そうかも。


ゴールキックやスローインのとき、いつも積極的に声を出し、動き回ってボールをもらっていました。

子供たちはいつも、監督やコーチにそうしろと言われていました。

自分がボールをもらってどうするか、自分がボールをもらったら、どのような状況になるのか。そんな後先のことを考えずに、監督やコーチに言われるままボールを要求していたのは、伸一だけ?

そうかも。


ゴール前のフリーでいる相手チームの選手にボールが渡りそうになると、パッと現れてパスをカットしたり、といった危ない状況に対する判断がよかったのが伸一です。

でも、ディフェンダーの子達は、誰がどこに行くとか、どのように相手をマークするとか、ボールに誰が行くとか、なんとなく目と目で合図していたりしたようです。

そんな人の縄張りや、人の仕事を無視してボールに突っ込んでいくのが伸一?

そうかも。


伸一のことを、周りが見えて気の利くサッカーをすると思っていたのですが、実は自分とボールしか見えてなくて、監督に言われたことを忠実にやろうとしか考えていなかったのかも知れません。

きっとそうです。今の生活態度を見ているとそうとしか思えません。


そんなことに今ごろになって気が付いた私も、もしかして、アホ?

最近、思うことがあります。

伸一は朝も部活があるので、少し早めに家を出ます。

近くの友人たちと待ち合わせをして一緒に行くので、大抵決まった時間に家を出ることにしています。


ところが。

3日に1度くらいは、待ち合わせ場所の近くに住んでいる友人の家に電話をかけ、

「今日は遅くなるから、先に行ってて」

おい、また今日もかよ、と思う私。

家を出る時間が決まっているのだから、それに合わせて支度をすればいいじゃないか。

でも、伸一はそれができません。

朝起きてから、(朝起きるのも、自分で起きようとはしません)ご飯を食べるのもゆっくり、顔を洗って歯を磨くのもゆっくり。

時計を見て、家を出なければならない時間になって、やっと慌てます。

「間に合わないよ~」

とあせる伸一。

「じゃ、電話すれば」

と、お母さん。毎日のことなので、もう諦めています。

一年近くたっても、同じことの繰り返し。

そして、やっと私も気が付きました。


伸一って、もしかしたら、アホなんじゃない?


小学校の頃のサッカーを振り返ってみます。

そういえば・・・


試合ではいい動きをして活躍していたように見えましたが、よく考えてみると・・・


・・・・・


長くなるので、続きはまたこの次に。

お正月の休みに伸一とサッカーをしました。

近所の子達とサッカーのミニゲームをしたのですが、近所の子は小学校の低学年の子達なので、実質、私と伸一との戦いでした。

伸一がボールを持っていると、私がボールを取りに行くのですが、左足と右足でチョチョンとボールを回す簡単なフェイントに引っかかって抜かれてしまいます。

くっそー!

何度やっても、同じフェイントで抜かれてしまいます。

あれー?

腹が立つので、無理矢理体で当たっていって、ボールを取ってしまします。

「ファールだぞ!」

「お父さんずるい、大人気ないぞ」

なぞと文句を言いますが、無視無視。

それでも、伸一と私の力の差がそのまま試合結果になって、私たちのチームはコテンパンにやられてしまいました。


ところが、その二日後。

また同じようにサッカ-のミニゲームをしたのですが、今度は伸一、フェイントが上手くできません。

私が、大抵ボールを取ってしまいます。

「おい、どうしたのよ」

私が伸一に声をかけても、伸一は首をひねるばかり。

「この前と同じフェイントすれば?」

と私。

「今日は調子が悪い」

「足が痛い」

などと、なんだかんだ理由をつけています。


私は狐につままれた気分。わずか2日前に出来たことができないなんて。

でも、それが伸一らしいところかな?

小学校のときの試合も、すごくいい動きをしていたと思ったら、別の日は、監督もびっくりのふがいない働き。

体調が悪いのかと心配してみたら、全然そんなことはなくて、本人も、出来が悪かったのはわかっているけど、なぜ出来が悪かったかわからないと言っていたことがありました。


今、やっとその理由がわかりましたl。

サッカー選手は誰でも出来のいいとき、調子のいいときと、出来の悪いとき、調子の悪いときがあります。

伸一はそれが両極端に出る人なんだ。

・・・・・

それでいいのか?

伸一からJリーグの試合を観に行きたい、観に行きたいと何度も言われていたのですが、今年は行けずに終わってしまいます。

昨年は名古屋グランパス対サンフレッチェ広島、一昨年はジェフ市原(千葉)対浦和レッズを観に行ったのですが。


「どこの試合を観に行きたいの?」

と尋ねると、伸一はしばらく考えて

「名古屋か千葉の試合がいいかな」

「好きなチームはどこよ?」

またしばらく考えて

「名古屋か、千葉かな」

「好きな選手は?」

またまたしばらく考えて

「田中達・・・」

「田中達は名古屋でも千葉でもないだろ」

「それじゃ、楢崎」

「・・・・」

普段でもサッカーについて話をしても、自分の身の回りのことしか話しをしない伸一です。

あまりJリーグに興味は無いようです。


私は横浜マリノスのファン、お母さんは今、甲府を一生懸命応援して、試合結果に一喜一憂しています。

でも、伸一はぜんぜん関心なし。

テレビでも、私やお母さんはサッカーの試合を楽しみにして見ているのに、伸一は横でゲームをしたり、本を読んでいたり。


テレビの試合も見ないくせに、スタジオに観に行きたいなんていうなよ!

と言いたいのですが。

どうも伸一は、試合観戦に行くと、試合前や休憩中に美味しいものを買ってくれるので、それが楽しみなようです。

・・・とほほ。




秋の終わりに、伸一達は練習試合をしました。

「伸一、ぜんぜん駄目」

試合を見に行ったお母さんが、帰ってくるなりこう言いました。

「真ん中にいるときは、いいパスを出したり、いい動きをするんだけど、後ろにいるときはぜんぜん駄目」

お母さんの話しを聞いてみると、どうやら伸一はずるいサッカーをしているようです。


もともと伸一は、サッカーの試合においては状況判断のいい子でした。

小学校4,5年生の頃は、試合に出ると、相手のパスコースを読んでカットしたり、危ない! という場所にぱっと現れてピンチを救ったりするのが伸一でした。

それが今は。

ディフェンダーのポジションにいるとき、相手のフォワードにボールが出そうになると、一歩間をおいてからボールに向かうときがあるようなのです。

どうも相手のフォワードと1対1になる状況を嫌って、わざとボールに向かうタイミングを遅らせているらしいのです。

身体能力の低い伸一にとって、相手と1対1になれば、大抵競い負けてしまいます。だからあえてそのような状況を作らないようにしているのです。

これは、伸一ばかり見ているお母さんだから気が付いたことで、他の人たちは気が付いていないかもしれません。

でも、それに周りが気づいたとき、どうなるでしょう。

私もその話しを聞いたとき、そんなサッカーをするのなら、サッカーなんかやめてしまえ、と思いました。

でも、伸一の気持ちもわからないでもないです。

伸一も、伸一なりにつらかったり、嫌な思いをたくさんしてきたのでしょう。

伸一にいろいろ言いたかったのですが、止めました。


いまだに伸一は背が伸びず、声変わりもせず、子供っぽいままです。

やがて背が伸び、体が大きくなって、精神的にも大人に近づいた時、伸一のサッカーももう少し変わるでしょう。

先に、近頃の伸一は、部活以外はサッカーもせず、かといって勉強も身を入れてするわけでもなく・・・と書きました。


テストの結果が出て愕然。

成績は急降下です。

私があれほど勉強しなさいと言ってきたのに。

いつもへらへらしていた伸一の姿を思い浮かべると、腹が立ちます。

その後きつく言ったので、少しはやる気になったようですが。(サッカーではなく、勉強のほうです)


伸一達の学年は、サッカーはそれほど強いほうではありませんでした。

おとなしい子が多いと前から書いてきましたが、実は、おとなしいながらも負けん気の強い子が多いのも事実です。

サッカーというスポーツをしていると、自然そうなってしまうのかもしれませんが、そんなところは、サッカー以外のところにも現れるようです。


と書くともうわかると思いますが、サッカー部の子達は、勉強も出来るようです。

テストが終わると、だれだれが何点で、だれだれが何点、という情報がすぐに広がるようです。それで、あいつに負けたー、次は絶対に勝つ!と、闘志を燃やすようです。

もちろん、伸一以外の子達が、ですが。

伸一もあいつらには負けないぞ、くらいの気持ちでがんばって欲しいです。


実はサッカーでも同じような感じで、伸一のテンションはこの頃下がりっぱなし・・・・

最近の伸一ですが、また怠け病が出てきています。

休日は、家族旅行の日以外、家でごろごろ。

部活のある日は部活に行って、たまに友達とどこかに遊びに行って。

それ以外は家でごろごろ。

暖かいときは、休みの日には一人でも一時間ぐらいリフティングをしたり、壁に向かってボールを蹴ったりしていました。私がいると、サッカーをしようと大抵誘ってきました。

ところが、寒くなってきたら、やる気なし。

確か毎年そんな感じで、小学校の3,4年生の頃は、夜間の練習をサボって、会社から帰ってきた私に怒られるなんてことも何度かありました。

今はもう怒ったりはしませんが。


そして、期末テストが近づいて、部活が休みになりました。

伸一は、早く家に帰ってきて、やっぱりごろごろ、漫画を読んでいるか、テレビを見ているか、ゲームをしているか。

休みの日もそうです。部活も休みなので、一日中ごろごろ。

おいおい。

サッカーの練習をやれとは言わない。

せめてテスト勉強くらいはしてくれ!





親子サッカーなどで、私もサッカーをしていると以前に書きました。

私はサッカー未経験者、伸一がサッカーを始めたのと一緒に、伸一の練習相手としてサッカーボールを蹴るようにうなりました。

ですからサッカ-シューズなど履いたことはなく、運動靴でサッカーをしていましたし、サッカーシューズをはくこともないだろうと思っていました。

伸一達が5年生の頃までは、年度末にスポーツ少年団のお別れ会のレクレーションで、親子サッカーをしていました。

そのときはサッカー経験者など、うまいお父さんたちがサッカーシューズを履いていました。

私はもちろん普通の運動靴です。サッカーシューズがいるとか、欲しいとかそう思うことはありませんでした。

ところが、伸一が6年生になった年の春、伸一が私にプレゼントしてくれたのです。サッカーシューズを。

「お父さんもサッカーやりな」

そのときの伸一の言葉です。

サッカーは楽しいからお父さんもサッカーをもっとがんばってやれば、もっと楽しくなるよといいたかったのか、僕の練習相手になってくれといいたかったのかはわかりません。その両方の意味があったのだと思いますが。


早速サッカーシューズを履いてみました。

軽い!

こんなに軽い靴、履いたことありませんでした。

走ってみると、すごく速く走れるようになった気がします。

値段は3千円くらい。まあ安物の部類に入るのでしょうが、私にとっては十分すぎるくらいです。それも伸一がお年玉などをためていたおこづかいで私に買ってくれたのですから、もう、十分すぎる以上の価値があります。


その後の親子サッカーのときなど、サッカーシューズを履くには少し抵抗がありました。

サッカーシューズはうまい人が履くもの、そんな考えがあったからです。

でも、サッカーシューズを履いて、へたくそながらもボールを追いかけて走りました。

もし誰かにサッカ-シューズのことを訊かれたら、こう答えます。

「伸一が買ってくれたんですよ、お父さんもサッカーをがんばってやれって」