4月も半ばを過ぎた頃、ふと思いついて伸一に尋ねました。

「今年はトレセンの選考会、なかったの?」

「あったよ」

こともなげに伸一が答えます。

「受けたのか?」

なんとなく答えは想像できますが、とりあえず訊いてみます。

「受けないよ」

「みんな受けなかったのか」

「ううん、○○君や○○君、それに○○君は受けたんじゃないの」

「誰が受かったの?」

「知らなーい」


伸一はもう、トレセンにはまるっきり興味がないようです、というか、トレセンのことに触れることが嫌なようです。

それには色々と訳があるようです。(話そうとしないので、私にはよくわかりませんが)

嫌なこともあったようです。

伸一はトレセンを始め、部活以外でサッカーをする機会も幾つかあるですが、今年はその全てに参加するのをやめました。

「部活一筋にがんばる」

伸一は大して気にした風でもなく言っていますが、やはり身体能力に加え、体の成長のハンデもあるので、今が伸一にとって、一番厳しいときではないかと思います。

伸一もそれをよくわかっているのでしょう。


とりあえず部活だけでもいいので、一生懸命続けていってほしいです。

日曜日に、伸一が

「お父さん、ボールを蹴って、すごく飛ぶようになったから、見にきて」

と、私を誘いました。

どれどれ。

早速いつもの駐車場へと出かけました。


少し距離を開けて、ボールを蹴りあいます。

「いくよ!」

伸一が手を上げて、ボールを蹴ります。

ドスンという音がし、ボールは低い弾道で私の前でワンバウンド、ツーバウンド。

「あれ?」

伸一、いつものように首をひねります。

何度か蹴ると、たまにボコ-ンと強く飛ぶボールがきます。

「お、すごいじゃん」

と私が褒めてやりますが、もう一度蹴ろうとすると、スカッ。

おいおい。

同じように蹴ることができません。

うーん、たまにいいボールが蹴れるくらいで自慢するなよ。

と言いたいのをこらえて、一生懸命おだててやります。

すると伸一もその気になって、一生懸命ボールを蹴ります。


いまだ、精神的にも小学生のような伸一・・・


前回に触れた、練習試合でうまくできなかったことについて。


試合でうまくできなかったことは相変わらずいろいろあったようですが、今回は特に、サイドチェンジのボールの処理がうまくできなかったことが気になるようでした。

もともと足技が下手な伸一です。ボールのトラップも昔から下手でした。難しいボールになると、足元にぴたりと止めることができません。

試合は前のほうのサイドのポジションなので、逆サイドからサイドチェンジの大きなボールを蹴られるときがあります。

それをトラップミスし、相手に絶好のパース!

・・・ガーン

ま、仕方がないです。

下手ですから。

で。

試合の翌日の日曜日は試合も練習もなかったので、久しぶりに伸一と近所の駐車場でボールを蹴りあいました。


早速軽いウォーミングアップのあと、距離をとってボールを蹴りあってみます。(私もだいぶコツがわかってきたので、強く遠くまでボールを蹴ることができるようになりました)

さすがにゆるい山なりのボールや、ワンバウンドしたボールはうまくトラップできます。

ですが、ライナー性の強いボールを直接足で止めようとすると、ボコーンとボールの勢いを殺すことができずに、遠くまで跳ね返してしまうときがあります。

うーん。確かに難しいとは思うけど。

何度も練習し、なんとなく良くはなったかな、ということにして練習をやめました。


帰り道、

「できるようになったんじゃない?」

と私が伸一に問いかけます。

「止まっているからそりゃ、できるよ。試合のときは走ったり、動きながらだから・・・」

げっ!

それじゃ、うまくできるようになるまで、10年かかるぞ!!

4月。

新年度が始まり、伸一は中学2年生になりました。

でも、見かけはいまだに小学生でも通りそうです・・・


さて、先週の土曜日もサッカーの練習試合があり、伸一はいつものように3試合のうちの2試合で、半分だけ試合に出ました。

ポジションもいつもと同じ。家に帰ってきて、今日もうまくできなかったと言うのも同じ。

ちっとも進歩がありません。

次の日は試合も練習もなかったので、久しぶりに伸一とボールを蹴りあいました。

試合でうまくできなかったことをやってみたのですが・・・

そのことについてはまた次回に書きます。



4月になって、2人がサッカ-部を辞めたそうです。(4月になってというか、春休み中ですから、3月ですか)

小学生のころからずっと一緒にサッカーをやってきた仲間ですから、さぞかし残念に思っているかと思えば、伸一は意外とさばさばしたものです。かえって私のほうが残念に思えました。

ひとりは今では伸一よりマラソンが早く走れる子で、もうひとりは背が高く、体格もよかったので、2年生になって試合に出るようになればそこそこできるだろうと思っていたのですが。

特に体格のいい子のお父さんはサッカー経験者で、その子が小学生のときは、サッカーの試合には必ず観にきていましたし、親子サッカーをするときも必ず子供ときてサッカーをしていました。

お父さんはさぞかし残念に思っているのではないでしょうか。


いじめとまではいかないにしろ、上級生とうまくいかない部分もあったようです。

その点、なぜか上級生にかわいがられている伸一は幸せだと思います。

自己主張が弱くて、どこかぼけーっとしたところのある伸一は、意外と上級生の受けがいいのかもしれません。

でも、今度は上級生になるのだから、ちゃんと下級生の面倒をみてやりなよ!


伸一は、春休み中です。

昨年と同じように、ずっと家でごろごろしているようです。(私は昼間、仕事にでているので、詳しくはわかりませんが)


どうも伸一は本来が怠け者で、のんびりが好きな性格なのでしょう。

私が休みの日にサッカーボールを蹴ろうと誘っても、反応はありません。

今年は部活があって、それだけは一所懸命行っているようなので、とりあえずは去年よりましですか。


今年こそ本当に、同学年の子達に追い越されてしまいそうです。

もうちょっと危機感を持ってサッカーをしろよ、伸一!!

というか、もともとそれほどサッカーが好きじゃないんだよね。

・・・・・

3月10日にサッカ-の試合に行ってきたのですが。
いつものように予選リーグで2敗して、翌日の2次の予選リーグに進むことはできませんでした。
伸一は2試合ともいつものサイドのポジションでフル出場したのですが、試合の感想は、いつものように「全然ダメだった」、でした。
「何がダメだった?」
私が訊いてみます。
「全部」
伸一は不機嫌そうにそう答えるだけで、詳しく話そうとはしません。
それよりも、、他人のことを話したくて仕方がないようです。
「○○君と××君は風邪をひいていて、かわいそうだった。○○君は最初の10分位試合に出ただけだし、××君なんて、向こうでずーっと寝てたから、○千円も払ってだだバスに乗ってきただけなんて、もったいない」

って、伸一・・・
その前の週の試合、全然風邪らしくないのに、風邪だと言って試合を休んで家でごろごろしていたのは誰だ?

風邪で体調が悪くても、何とかがんばって試合に出ようという気の○○君や××君のことを、少しは見習ったらどうだ?

今日明日と、アンダー13の大会があって、伸一はバスに乗って遠征に出かけています。

妙に張り切っていて、昨日は真っ暗くなるまでボールを蹴っていました。


先週も試合があったのですが、風邪っぽいと言って、休みました。

そのくせ、家で寝ているわけでもなく、ゲームをしたりしてごろごろ。きついサッカ-の試合をサボれてよかったなあ、といった風でした。

おいおい、そんなにサッカーがしたくないのか。やめたら? とでも言いたくなるさまです。


ところが、何があったのか、一週間もしないうちに猛烈にやる気が出て、張り切りだしました。

むらっけが多いのは昔からでしたが、最近特にそういう傾向が強いです。

もしかしたら、寒さに弱い伸一ですから、この頃暖かくなってきたので、サッカーをがんばる気持ちが、冬眠から目覚めたのでしょうか?



試合から帰ってきて、結果を聞くのが楽しみです。

前回の続きです。


オール1年生のメンバーでの試合が行われました。

伸一のポジションは、センターバックです。

4バックなので、もう一人、センターバックがいます。

その子はレギュラーチームで2年生と一緒に毎回試合にフル出場していて、ポジションも同じところです。

結果、その子が最終ラインの上げ下げをコントロールするよう監督に指示を受けています。

伸一はその子を見ながら、ポジションを取ったそうです。

ところが、監督や2年生の先輩たちから、試合中に

「ラインをもっと上げろ!」とか

「ラインを下げるな!」といった指示が盛んに飛ばされたようです。

でも、ラインを上げるということは、伸一にとっては大変厳しいことなのです。


相手フォワードが、伸一にべったり付きっきりでいます。

伸一の裏にボールを出され、ヨーイドン! でボールを追いかけたら、相手のフォワードに勝てません。

したがって、どうしても相手のフォワードより、ゴールに近いところにポジションを取ってしまします。

すると・・

「ラインを上げろ!」

「下がるな!」

すぐに指示が飛んできます。

そしてラインを上げると・・・

伸一の裏にボールを出され、伸一は相手フォワードに置いていかれ、ゴールを許してしまいます。


6失点のうち、3失点が同じようなパターンの、伸一がらみの失点だったそうで、伸一はかなり落ち込んで帰ってきました。


何で監督は伸一をセンターバックのポジションに使ったのでしょう。

レベルは全然違いますが、元ガンバ大阪のDF、宮本が、速くない、高くない、強くないと言われながら、全日本のキャプテンを務めたように、カバーリングや状況判断、キャプテンシーみたいなものに期待して、伸一をそのポジションにしたのでしょうか。


もう二度とそこのポジションでやることはないよと、自嘲気味に伸一は言っていましたが、はたしてどうでしょう。

(といっても、足の遅い子にそこのポジションは無理です、というか、サッカーはどこのポジションでも基本的に足の遅い子はきついものがありますが)

がんばれ伸一~。

伸一たち、久しぶりにサッカーの試合がありました。今年初です。

これまでにも、練習試合などの予定はあったのですが、悪天候や、グラウンドコンデションが悪くて中止になっていました。


行われた試合は地元の大会で、1日目に予選のリーグ戦、2日目に決勝トーナメントという、いつものパターンで行われました。

伸一たちはいきなり優勝候補の強豪とあたり、コテンパンにやられたようです。

2試合目も僅差で敗れ、予選敗退が決まりました。

伸一は今までと同じように2試合とも後半だけの出場でした。ポジションもいつものように前の右か左のサイドで、出来もいつも通りだったようです。


問題は2日目です。

2日目は決勝トーナメントに進めなかったチーム同士でのリーグ戦がおこなわれました。

伸一はもちろん張り切って(?)出かけていきました。


この日も2試合行われたのですが、練習試合みたいなものだったので、全員が2年生チームで1試合、次に全員1年生で1試合したそうです。

2年生チームは勝ち。

1年生チームは・・・・


なんと前日にコテンパンにやられた強豪チームの2軍(1年生主体チーム)が相手でした。

そして、・・・


またまたコテンパンにやられてしまいました。

6対1という結果。

小学校以来のチームの再来でしたが、伸一は・・・


なんと、したことのない4バックのセンター。

ええ!?


先生、というか、監督、それは無理でしょう。

伸一は今、中学1年、もうじき2年生になります。

身長は155センチ、体重40キロほどです。伸一より背の低かったほとんどの子達に身長で追い越されてしまったようです。


伸一はいまだに声変わりせず、たまにお風呂で一緒になっても、おちんちんは小学生のときのままです。

いつかは声変わりし、身長も急激に伸びるときがあると思うのですが。

運動能力で劣る上に、体力、体格でも劣るとなると、もうついていけません・・・


小さいうちから馬鹿みたいにサッカーをしていると、足などにすごい筋肉が付き、(伸一も太腿が太いです)そのおかげで骨が伸びずに身長も伸びないといわれているようです。

伸一はもともと骨皮筋衛門で、筋肉が付かず、瞬発力もないタイプです。筋肉に巻かれて骨が伸びないタイプではないとは思います。

サッカーを馬鹿みたいにしてもいません。

それに、私は身長が180センチ近くあるので、伸一も大きくなると期待してはいるのですが、さて、どうなることやら。