
高校の同級生だった彼女は
ワタクシと同じ大学を一緒に卒業した後、
山崎製パンで 早朝アルバイトなんかをして
ぼんやりとした数年間を過ごしていた。
ワタクシとは ずっとクラスも学部も違ったんだけど、
何だかとっても気が合って、
昔から物凄く明るくて楽しくて面白い人だったんだけれどねぇ。
ベルトコンベア-で運ばれてくる 形の崩れたアンパンとかクリ-ムパンなんかを
制限時間内に ただただ黙々と 仕分けして間引いたりぃ 形の修正をしたりするという
異常に単純な作業を やっていたらしい。
彼女に言わせると、
信じられない位に単純な作業をしている時の人間の頭というのは、
全く空っぽで何も考えていないか 物凄く哲学的な思索に耽るかの
どちらかの状態になるらしい。
自分が本当に何をやりたいのかを見つけられずに
一見無駄とも思える数年間を 製パン作業に費やした彼女だったのだけれど。
27歳になった時に
彼女のお姉さんが病気で入院してしまう。
病院に何度もお見舞いに行きながら、引き続きぃ製パンのアルバイトもしていた彼女は、
ある日バイトの作業中に「 そうだ!私ぃ 医者になろう! 」っと閃いたのだった!。
そして彼女は、何と!たった1年間のにわか勉強で
千葉大と新潟大学の医学部に合格してしまった!。
彼女が合格した時にぃ 高校の担任だった教師から
「 お前!本当にお前が受かったのかぁぁぁああ???? 」っと
わざわざ電話でお問い合わせがあったくらいなので、
おそらく彼女の高校時代の成績は とんでもなく悪かったんだと思う(笑)。
全然見栄っ張りな人ではないので
「 あと3ヶ月時間があったら 東大の医学部も入れたなぁ 」
・・・っていう彼女の言葉も 全然嘘じゃないと思う。
人間 要は気合いなのだ!。
現在彼女は 国立病院で小児科の医者をやっている。