「昭和45年女 born in 1970」創刊! スピード重版決定!  | ド少女文庫

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編集者&ライター・粟生こずえによる、少女漫画・小説をはじめ少女ごのみのあれこれを語るド少女魂燃焼ブログです。

雑誌の立ち上げに関わることができるのは、フリー編集者として、またライターとして本当に光栄なことです。

昨年の夏ごろから雑誌のコンセプト作りの会議にも参加し、熱い話し合いを重ねながら製作を進めてきた新雑誌「昭和45年女 born in 1970」(クレタ)の記念すべき第1号が5/31に発売されました。

 

表紙は江口寿史先生。

シンプルで上品だけどカッコいい着こなし、ちょっとやんちゃなポージングが最高です!

 

「昭和45年女 born in 1970」「昭和40年男」「昭和50年男」の姉妹誌であり、初めての女性版です。

本当に中身の濃い雑誌で、いち読者として愛読していたのですが、昨年「昭和40年男」「昭和50年男」でお仕事するようになりました。

ビッグ錠先生、高橋陽一先生、一本木蛮先生のインタビュー、食マンガにスポーツマンガ特集、思い出の雑誌特集など楽しい仕事ばかり!

 

雑誌のタイトルはズバリ「○年生まれ」の読者を示したもの。その世代にとって《懐かしい》ものごとを幅広く特集するという性格を持っていますが、私がこの雑誌に感銘を受けたのは「ただ昔を懐かしむだけではない」姿勢です。

懐かしいものを取り上げつつ、今の視点でとらえ直す。また、「現役主義」という言葉を掲げ、読者が《今》を元気に過ごすことに力点を置いた記事作りを意識している…こうした姿勢はムックや書籍ではない「雑誌」だからこそ、より価値ある態度だと感じたのです。

 

「果たして女性版はニーズがあるのだろうか」という懸念もありましたけれど、「昭和40年男/50年男」を愛読している女性は少なくなかったわけで。準備期間中、周囲からは「これまでどうして女性版がないのかと思っていた」という声も聞こえてきたり。

そして、ドキドキで迎えた発売日…なんとオンラインではほぼ完売との報が!

6/4現在、なんと雑誌としては異例の重版が決定しました!!

増刷分の入荷にはちょっと時間を要するようですので、お探しの方はしばしお待ちを。

 

 

「昭和45年女 born in 1970」創刊号の目次はこちら。

 

江口寿史先生の巻頭メッセージに始まり、インタビューに藤井フミヤ、西川貴教、坂井真紀。

りょうさんのめちゃくちゃカッコいいファッショナブルなグラビアもシビれます〜。

 

「1970年女はカルチャー多様化世代! 私たちはコレでできている」の大特集では洋楽、マンガ、アニメ、本、ファンシー雑貨、アイドルやドラマなど盛りだくさん。

 

はい、私はマンガの特集でがっつり書いてます!

「激読!私たち的マンガWORLD」は70年生まれさんが思い切りのめりこんだマンガを雑誌別に振り返る企画。「りぼん」「なかよし」「ちゃお」「ひとみ」「マーガレット」「フレンド」「花とゆめ」「LaLa」「少女コミック」「プリンセス」…少年マンガも。4ページにまとめる都合上、泣く泣く削ったタイトルも数えきれずで悩ましかったのですが。

 

「『ガラスの仮面』名場面集」には、現在刊行されている49巻分のコミックスを巻ごとにおさらいできるコラムも。途中で追えなくなってしまった方、今こそ再読してみたい方にぜひオススメです。

 

そして、『To-y』の上條淳士先生インタビュー。

この取材が決定したときは本当にうれしくてうれしくて。

 

『To-y』はちょうど自分がライブハウスに通い始めたころ「週刊少年サンデー」で連載がスタートした作品です。

パンクバンドのボーカルだったトーイが、やがて芸能界へ進出し、飄々と…しかし戦略的に暴れまくる様をワクワクしながら眺めていました。

作品の世界は、自分の日常とつながっているようにさえ思えて。

お小遣いが足りずに行きたいライブに行けないとか、親の許可が出なくて年越しオールナイトライブに行けないときは、『To-y』に描かれるライブで十分行ったつもりになれたりしたものです。

 

私がいうまでもなく『To-y』はロックマンガの金字塔であるわけですが。

もしかしたら「女性向け」の雑誌で上條淳士先生のインタビューが行われるのは珍しいのでは?

インタビューを前に、そんなことを思いました。

確認してみたら…なんと『To-y』のもう一人の主人公であるニヤは、1985年の連載スタート時に15歳。つまり、1970年生まれ。

 

今さらながら「そうか、私もニヤの目線で読んでいたのか!」と認識し、

「あの頃のニヤたちへ」をキーワードにしよう、と決めて臨んだインタビュー。

上條先生から『To-y』の「女性読者」へ向けてのとても素敵なメッセージをいただくことができ…喩えじゃなくて震えました!

 

インタビュー終了後は、編集さん方と記事構成の打ち合わせ…のはずが興奮冷めやらず感想戦(?)で大盛り上がりしました。

 

 

雑誌が売れないといわれる昨今ですが。

学年誌やファッション誌、音楽誌、マンガ雑誌、カルチャー誌、スポーツ誌、文芸誌等々たくさんの雑誌に影響を受けて育った私としては、雑誌の可能性を信じています。(ちなみに今号の「私たちをつくった雑誌を語ろう」という座談会で、10代の頃に触れた雑誌について語っています)

 

雑誌で多くの文化に触れ、いろいろなものに憧れてきた人間として、刺激的な雑誌を作っていきたいという思いでいっぱいです。

 

 

 

幸せなスタートを切ったこの新雑誌をどうぞよろしくお願いいたします。

もちろん男性の方も!