何しろ「緊急事態宣言」というものに遭遇するのは初めてなので、いろいろ憶測は飛んでいたもののそれが出されてみるまで想像の及ばないことばかりでした。宣言が出る前の週末、当座の仕事に必要なマンガを集めに街に出たものの、一番マンガが揃っている書店が早仕舞いしてしまっていて「調べが甘かった!」と後悔。ネットで買うこともできるけれど、店頭でいろいろ見繕う必要があったのです。
2番目にマンガフロアの広い書店に走ると、ありがたいことにそこはまだ開いていて。10冊ほどのマンガを抱えつつ、名残惜しく店内を歩いていた時に目に飛び込んできたのが『忠津陽子ぬりえBook』(双葉社)でした。
表紙を見て一瞬も迷うことなく「買い!」だと思いました。値段を見てびっくり。1300円(税別)ってめちゃくちゃ安いじゃないですか⁉︎
忠津陽子先生のデビューは1967年、『別冊マーガレット』。
明るくてノリのいいラブコメの名手として80年代初頭まで活躍。近年はハーレクインのコミカライズを手がけているそうです。
代表作は『美人はいかが?』『お金ためます!』など。
この本、「ぬりえBook」とタイトルにありますが、カラー原画が24点も収録されているんですよ。
かつての少女マンガのイラストは季節感に溢れているものが多かったなぁと思います。
しかし…この指先の表情、惚れ惚れしてしまう!
↓いいなあいいなあ、こういう「THE少女マンガ」かつ「THEクリスマス」なシーンのイラスト。
素敵なファッションの女の子は自分からはほど遠く「マンガの中だけのもの」であっても。
一本のキャンドルを手に入れたらその世界に少し近づけた気持ちになった…小学生時代のことを思い出します。
ぬりえページはこんな感じ。冒頭の方に、色鉛筆や水彩絵の具での着色の指導がかなり丁寧に載っているのですが、
さらに一点ごとにぬり方のアドバイスがついている親切設計。
12色の色鉛筆があれば大丈夫。これはやってみたくなりますね!
お手本を参考にするのもいいけれど、子どもの頃に夢中になったみたいに自由に彩色するのもいいかも。
昨年の2月に『ブックカフェ二十世紀』(東京・神保町)で開催された原画展も素晴らしかったのです。
今年の4月にも原画展が予定されていたのですが(なんと、忠津陽子先生がいらしてのぬりえのワークショップも!)コロナの影響で中止になってしまっていたく残念。
…なのですが、この原画展をプロデュースしている「くだん書房」から『忠津陽子 初期作品集』が発売されるといううれしいニュースが!
デビュー作『夏の日のコーラ』、同年「COM」に発表された『星とイモムシ』が収録とのこと。
4月末から通販がスタートしています。急いで買わなくては!
http://www.kudan.jp/kudan/kudannomanga.html
どちらも未読なので楽しみです。
忠津陽子先生の作品は、先に挙げたような代表作しか読んでおらず。ずっと気になってたのですが、古本で見つけるとかなりの高値で手が出なかったのです。これを機にさらに読める作品が増えることを期待して。中止になった原画展も、開催されますように!