令和元年 山根青鬼画業70周年記念展 | ド少女文庫

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編集者&ライター・粟生こずえによる、少女漫画・小説をはじめ少女ごのみのあれこれを語るド少女魂燃焼ブログです。

終了してしまった展示のことを書くのは(もしかしてこのブログを読んで「この展示見たい!」と思ってくださる方がいるかもしれないと思うと)ちょっと恐縮なのですが。

それでも、この展示を見たことを書き残しておきたいと思います。

 

会場の江東区森下文化センターは、館内に「田河水泡・のらくろ館」を併設しており、数々のマンガ関係の素晴らしい展示やトークイベントを行っています。

入場無料。そして9時〜21時と、遅い時間までオープンしてくれているのがありがたい。

 

この展示、私も一時は見に行くのをあきらめかけていたんですよね。

ですが…会期終了が迫ったある日。

その日は膨大な資料を読みこむのが一大ミッションで、集中するために吉祥寺のマックで本を開いていました。

たまたまツイッターを開いた時に、編集者さんがこの展示のことをつぶやいていて、どうしても「行きたい!」と思ったのが19時ごろ。考えてみれば吉祥寺から森下までは片道30〜40分。電車の中で資料を読めばいいじゃないかと、急いで飛び出したのでした。

 

山根青鬼先生の代表作といえば、『名たんていカゲマン』。

 

少年探偵のカゲマンの相棒は、自分の影であるシャドーマン。

このアイディアがなんといっても秀逸です! 影ができるところでないとシャドーマンは出現できない…というのもワクワクします。カゲマンは暗闇でもシャドーマンを呼び出せるように懐中電灯を携行してるのですが、ときには電池切れのピンチも!

 

 

本作は70年代なかばから80年代にかけて、小学館の学習雑誌で大人気を誇りました。

私は学年誌ではなく、てんとう虫コミックスのほうで読んでいた覚えがあります。

今世紀に入ってから出た復刻版全3巻は、即買いましたよ!

 

当時のCMや流行ネタがたくさん盛りこまれているのも魅力。

宿敵・怪人19面相はじめさまざまな悪党たちはコミカルな存在ですが、どこかクールなスラップスティック風味が漂う作品です。

 

 

展示では、写真などの資料もたくさん。

師匠である田河水泡先生、双子の弟の山根赤鬼先生との3ショット、いいですね〜!

 

山根青鬼、赤鬼先生は1935(昭和10)年生まれ。

1949(昭和24)年、北日本少年新聞に連載された『北日坊や』でデビュー。この作品は、青鬼・赤鬼2人でかわりばんこに執筆されたそうです。

これはデビュー前年に、2人が紹介された記事。

 

さまざまな作家さんから寄せられたイラストやメッセージも展示されていました。

 

私としては大ファンの吉森みき男先生の色紙にくぎ付け!

 

 

森下文化センターには図書コーナーがあり、蔵書を閲覧することもできます。

それほど広いスペースではないのですが、古いマンガから意外と新しいものまで並んでいます。

むしろ、最近できたようなネットカフェ&漫喫では読めないようなラインナップなので

これ目的だけで訪れるのもアリだと思います。

 

 

最後に、私が見逃した昨年の展示のチラシをご紹介。

 

あ〜これ見たかったなぁ。

『大人の少女マンガ手帖 熱血!スポ根ヒロイン』なんて本を作ったくらいで

スポーツマンガもスポーツも大好きなんです。

 

特にかざま鋭二先生、志賀公江先生のトークなんてめちゃくちゃレアじゃないですか。

かざま鋭二先生の『我ら九人の甲子園』(原作・高橋三千綱)は大名作。野球マンガを何百と読んできましたが、その中でもMyベスト5に入ります!

 

森下文化センター…お近くの方、または近くに行く機会がある方はぜひのぞいてみてくださいね!