参議院選挙に行こう! 1週間連続連載 第二回「参議院の意味」 | Doronpaの独り言

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「参議院は衆議院のカーボンコピー」「参議院は存在価値がない」など、参議院についてはこれまでも厳しい指摘がなされてきました。現憲法発布以降、参議院から内閣総理大臣が指名されることはなく、政治の表舞台はどうしても衆議院ということになってしまいます。もちろん、これは良識の府としての役割が期待され、政党からは一歩引いた形での行政府のチェック機能を持つという参議院のあり方にも起因しているわけですが、現状の参議院が良識の府として国民から信託を受けているとはとても思えないのも事実でしょう。こうして見ていくと参議院という存在自体が政治的に非常に希薄な存在であり、円滑な国家運営のために国会一院制を主張する人たちにとって参議院は「税金の無駄遣い」以外の何物でもないと受け取られているのです。


しかし、参議院に存在感がないのは政権与党が両院の過半数を押さえている場合のみという条件がつくのです。今回、与野党の間でこれまでにないほど参議院選挙が熱を帯びているのは、久しぶりに野党が参議院の過半数を制する可能性が極めて高くなってきたからなのです。下馬評通りなら、野党民主党が単独で参議院の過半数を制することも予想され、その場合与党にとって参議院の意味はとてつもなく大きくなってくるのです。


確かに憲法上、予算・条約・内閣総理大臣の指名に関して衆議院には参議院よりも強い権限が与えられており、なおかつ現在の衆議院勢力は与党勢力が3分の2を占めているため、仮に与党提出の法案が参議院で否決されても衆議院で再可決成立することが可能となっています。しかし、参議院の過半数を野党が占めた場合、当然第一党の民主党から議長が選出され「法案たなざらし」という奥の手が使えることになります。これは衆議院から送られてきた法案を参議院でストップしてしまい採決をしないというものです。時間切れで廃案や継続審議となる重要法案が続出すれば、政権運営は不可能となり嫌でも与党は野党に配慮した形で政策を進めざるを得なくなるのです。


野党が参議院を制することで、政権運営に緊張感が生まれてよいという意見もあるでしょう。しかし、問題なのはその野党が一体どのような政策を掲げているのか? という点ではないかと思うのです。「年金問題」などの一面的な争点だけで判断するのではなく、参議院を制した場合の野党が法案成立を取引材料にして今後何を政府与党に求めていくのかをよくよく考えた上で、本当にそれが国家にとって良いことなのかどうかを熟慮して一票を投じるべきではないかと思うのです。



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