女系天皇論議は今行うべきものか? | Doronpaの独り言

Doronpaの独り言

日本第一党党首 / 行動する保守運動代表
桜井誠の公式ブログです。
時事問題や国際情勢などを記事にしています。
是非ご覧下さい!

秋篠宮妃紀子様ご懐妊の報が流れ女系天皇論議が急激に冷めたような感があります。しかしこれは火山が爆発する前の状態とも言えるもので、ご出産予定の9月にお生まれになる皇子が内親王殿下であった場合、これまで以上に女系天皇容認論が燃え広がる可能性があります。であればこそ、女系天皇を肯定する側も否定する側も冷静に話が出来るであろうこの一時の機会を逃さずに、問題を考えてみるべきだと思います。
既に何度か私見を述べておりますが、私は現状での女系天皇容認論には反対の立場です。既にご承知のように歴代天皇の中で八代十名の女性天皇は存在しますが、
一人として女系天皇は存在していません。神話の時代から連綿と百二十五代二千六百六十六年の悠久の時を男系によって天皇家は皇統をつないできました。中には「男系というがそもそも皇祖神の天照大神は女性ではないか」と指摘する人もいましたが、これは完全に勉強不足です。現在女神とされている天照大神ですが実際は男神であり、祭神を天照大神としている建立千年以上或いは古くて建立時期が分からないという程の神社で由来を見ますと、天照大神を男神として祀っている神社が多く見られます。

神話の時代や古代はともかく、男女平等の現在に至るまで男系にこだわる必要があるのか?という声もあります。しかしこうした
欧米的男女平等論を伝統文化に当てはめるのは明らかに間違っている行為であり、それを言うなら歌舞伎や宝塚も男女平等に反するとして糾弾しなければなりません。伝統文化の破壊に他ならない行為です。よくテレビで「開かれたご皇室」という言葉を使っていますが、この言葉の意味するところは天皇家を民間と同じレベルにしろと言っているに等しく、それはゴシップまみれで国民からそっぽを向かれる英国王室のようになれと言っているのでしょうか?

天皇家は由来初期の不確実な部分を除いて、現代アカデミズムが認めている歴史だけでも千五百年以上続く家系であり、天皇家の存在は日本という国家の成り立ちそのものであり、私たち日本人のルーツがそこにあると思います。では天皇とは一体何なのでしょうか?

古代日本が中華支配の極東情勢からいち早く抜け出し、本当の意味での独立国家であることを高らかに宣言した象徴が「天皇」であり「日本」という言葉であったと思います。日本という言葉が初めて対外的に使われたのは第八回遣唐使(西暦702年)が則天武后時代の唐帝国(この時期、唐帝国は「周」と国号を変えている)に対し「日本」という国号を用いて、それを唐に認めさせています。諸説がありますが、それまで「大王」(おおきみ)と号してきたのを「天皇」(すめらみこと)に改めたのが七世紀後半頃からというのが有力となっており、これは先の唐帝国に対して日本を号した時期と重なります。恐らくこの時期の古代日本は大化の改新以降、律令制度の普及と共に国家という概念が広く共有できるようになっていたのではないかと思うのです。
その中で中華帝国の影響を排し、独立国家としての尊厳を天皇或いは日本という言葉に古の先人たちが託したのだと思います。
言うまでも無く、「皇」の字は中華圏では歴代中華帝国の皇帝のみが使用できるものであり、あえてその字を取り入れたことから見ても、日本は決して中華帝国に屈しないという独立独歩の精神をこの時期に固めたと思うのです。そしてそれは本当の意味での日本という国家の誕生ではなかったでしょうか?
天皇とは日本そのものであり、日本人の独立独歩の精神の象徴であると私は思います。

こうした天皇家の伝統を断ち切る、即ち
男系から女系への移行とは王朝交代に他ならないということを理解するべきです。私は女系天皇容認論の全てを排するものではありません。例えば天皇を天皇たらしめているのは必ずしも直系の血統ではないからです。意外に思うかもしれませんが、天皇の直系の皇子が天皇となる事が制度化されたのは明治に入ってからで、特に古代では兄弟間相続が主であり傍系へと移ることも多々あったのです。かの厩戸皇子(諡号、聖徳太子)も用明天皇の直系の皇子ですが、用明天皇崩御後は叔父にあたる崇峻天皇が即位しおり、崇峻天皇後は叔母にあたる推古女帝が即位しています。
では天皇を天皇たらしめるものは何だったのでしょうか?
それは大嘗祭です。天皇は一年に一度五穀豊穣国家安寧を祈願し新嘗祭を執り行いますが、一代一度だけ即位の年に行われる新嘗祭を大嘗祭として執り行います。その詳細は天皇家の秘儀中の秘儀であり公開されていないためどのような儀式が行われているのかはっきりしていませんが、幾らかでも分かっている大嘗祭についての記述を総合すると、恐らくこの大嘗祭では皇祖霊を身体に呼び込み人間の肉体に神性を宿す儀式が行われているものと思われます。そしてこの大嘗祭を経て初めて天皇は天皇と呼ばれるのです。過去大嘗祭を執り行わなかった天皇は半帝と呼ばれていることからも、この大嘗祭が天皇を天皇たらしめるものであると理解できるでしょう。そして理論的には女系であっても大嘗祭を執り行えば神道最高祭司としての天皇を名乗ることは可能ということになります。

しかしこれらの女系天皇容認論と申しますのは、究極的な論ではないかと思うのです。現在天皇家においては東宮様を始め秋篠宮様が宮家をお持ちになり、今すぐに女系天皇を認めなければ天皇家は存続できないという状態ではありません。ぎりぎりになってからでは遅いという人もいますが、もし女系天皇を認めるとしたら当然これまでの内親王殿下として結婚後の皇籍離脱という皇室典範の取り決めも変更され、内親王殿下が宮家を継ぐ或いは創設することが可能になります。秋篠宮家だけでなく他の宮家にも内親王殿下がいらっしゃる訳ですし、さらに戦後民間に嫁がれて皇籍離脱された方も呼び戻し宮家を創設することが可能となります。そうなると皇室の幅は急激に広がり皇位継承者も大幅に増えることになります。ぎりぎりでも全く遅くないのです。
万策尽きた時点で初めて、王朝交代であっても女系天皇を認め天皇家の歴史を伝えていくか、或いは男系の伝統を守って歴史に幕を引くかという論議をするべきではないでしょうか?

何より悠久の歴史を紡いできた伝統を守るため方策を考えるほうが先のはずです。


戦後臣籍降下された旧宮家の中では現在も男系男子が伝統を守って存在しており、宮家復活が出来ないというのならせめて皇室典範を改定し旧宮家からの養子を入れることを容認すれば、現在内親王殿下しかいらっしゃらない宮家も存続できますし、或いは敬宮様と比較的年齢が近い旧宮家の男系男子がお二人いらっしゃるとのことなのでその方たちから婚約者として皇室に入って頂けば男系による皇統の伝統を守ることが可能です。
幾らでもまだ伝統を守る方策が残っているにも関わらず、それらの策を捨てて性急に女系天皇容認論を広げようとするのは明らかにおかしいと言わざるを得ません。

最後になりますが、去年中野ゼロホールで開かれた「皇室典範改悪反対国民集会」でクライン孝子さんが指摘されていたのですが、シナ中共による対日工作計画の中に「天皇制度廃止」(※)があり、
これまで「天皇制反対」を訴えていた左翼が掌返して女系天皇容認論を訴えているのは、このシナの対日工作と合致しているというのです。
即ち、これから数十年先になるでしょうが女系天皇が即位した後に「お前は本当の天皇ではない」と攻撃して国論を分断、天皇家を廃そうという遠大な計画の一端だというのですが・・・。
もちろん、女系天皇容認論を唱える方が全てシナ中共に踊らされているとは思いませんが、結果としてシナの対日破壊工作を助けているという事を認識して、性急な女系天皇容認論ではなくじっくりと腰を据えて伝統を守る方策があることも改めて理解された上で、この問題を考えて欲しいと切に願うものです。


※「天皇制」という言葉は頭の狂った左翼が使い出した言葉で、本来はここで使うべき言葉ではありませんが、左翼の主張をそのまま載せるために使用しました。

----------------------------------------------------

● 出版物のお知らせ ●

反日妄言撃退マニュアル (桜井誠著、晋遊舎、2005年12月、定価800円)

マンガ嫌韓流2 (山野車輪著、晋遊舎、2006年2月、定価1,000円)

マンガ嫌韓流公式ガイドブック (晋遊舎、2006年2月、定価600円)


● リンク ●

本サイト(ネットラジオ放送中)
Doronpa's Page  ~不思議の国の韓国~

韓国生討論(掲示板)

東亜細亜問題研究会公式サイト


● ブログランキング ●

人気ランキングバナー

↑↑↑
このブログを支持される方はこちらをクリックしてください。