映画「ピンクとグレー」 | 沈みかけ泥舟のメモ

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今はネタバレなしの映画感想ブログ化してます。

ジャニーズのNEWSメンバー加藤シゲアキさんの小説「ピンクとグレー」を映画化した本作。

宣伝で「開始62分後の衝撃」をうたい文句にしているせいで、
身構えて見てしまったせいもあって残念ながらあまり仕掛けで驚けませんでした。

「イニシエーションラブ」の宣伝でも思いましたが、
やはりどんでん返しを売りにしていることを前もって告知するのは驚きを削いでしまうなと思います。

せっかくのどんでん返しを無にするような感想を書く気にはなれないので、
その辺りについては触れずに作品について思った事をいくつか。

まず、映画版の売りとなっている「仕掛け」部分が映画ならではとなっています。
「原作から大幅に変更した」
この手の言葉がくっつく映画は原作ファンに叩かれがちなんですけれど
今作について言えば原作を読んだ人も喜べる「大幅な変更」だと思います。
というより、原作を読んでいた人の方が驚く事が出来るのかもしれません。
私は原作を読んでいなかったので何とも言えないんですが。

また、私の主目的は映画ファンに申し訳ないんですが
大好きなバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION」が映画のために作った楽曲
「RightNow」を映画のエンドロールでしっかり聴くことでした。
実際に映画を見終わって、歌詞をしっかり聴きながらエンドロールを見ていると
「この映画の物語を終えた主人公が生きていく未来」が見えるようで
「RightNow」を最後まで聴いて「ピンクとグレー」は終われる映画かなと思いました。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONがエンディングテーマを作った映画には
「横道世之介」もありますけれど、この映画のために作られた「今を生きて」も
映画の世界をうまく締める楽曲になっていて
ASIAN KUNG-FU GENERATIONは作品のために楽曲を作るのが
非常にうまいバンドだなと再確認しました。

そう言えば「横道世之介」も「ピンクとグレー」と同じように驚きの展開がある映画でした。
ちょっと痛いとか苦い後味のある驚きの展開を持つ映画を
鑑賞後にちょっと爽やかな気持ちにさせて映画館を出て行かせてくれる
そんな楽曲作りがASIAN KUNG-FU GENERATIONの技術かもしれません。

それにしてもNEWSの加藤シゲアキさん原作の映画であり
主演がHey! Say! JUMPの中島裕翔さんという事なんですけれど
ジャニーズの映画、ジャニーズファンのための映画という感じにならず
しっかり芸能界の陰影を持ち込んだ青春映画として良い作品だったと思います。

とりあえず、ネタバレを目にしてしまうと面白さが激減するとは思うので
ジャニーズ関連だからと毛嫌いしたり色眼鏡で見たりせずに見に行っていただきたいと思います。

最後にネタバレに近い書き方になりますけれど、
ミステリー小説なんかを読んでる人ならどんでん返しの種類がわかり
興味を持って見にいくきっかけになるかなと思いますので
この作品を表すのに良さそうな言葉を書いておきます。

この言葉にピンとくる方、好みに合う方なら
「ピンクとグレー」は見に行って損はないと思います。
評価は様々かと思いますけれども、そういう話と知らずに見逃すのはもったいないので。


映像版の叙述トリック的アプローチ。メタフィクション。