先週一杯で職場の若い女子社員が一人退職されまして。
法学部出身のとても有能な方でしたが、寿ということなので何より。
その子はホラー映画が全然ダメ、とのことで、
以前開催された「地獄の血みどろマッスルビルダー完全版」鑑賞会も当然不参加。
・・・だったのですが最終日の去り際に、
「映画観ました。親と一緒に」
と嬉しい報告が。
最後ということで親御さんを巻き込み頑張って観てくれたようです。
「うちの親がとても気に入ってました。映像が昔の作品みたいで良いって」
とのこと。
「西部警察」や特撮ものの作品がお好きだそうなので、
フィルム感に懐かしさを感じていただけたのだと思います。
その世代の方々が若い頃に観てこられたTVドラマは、
まだ16ミリのフィルム撮りが主流でした。
「西部警察」も然り。
「ウルトラマン」などの特撮ものも当然そう。
昔はデジタル映像なんて無かったから、
映画もドラマもフィルムかビデオ。
ビデオはフィルムより安上がりでしたが、映像も安っぽい。
フィルムの方が断然重厚に、作品らしく仕上がります。
「水戸黄門」が16ミリフィルムからビデオ撮りに変わった時には、
「時代劇コントになった」
「メイキングみたい」
なんて言われたものです。
「フィルムで撮ると1枚ベールを被ったような映像に仕上がる」
と昔よく言われてました。
ベールの向こうには現実世界と少し異なる、
ファンタスティックな空間が広がっているのだと思います。
ロバート・ロドリゲスの「プラネット・テラー」では、
映像を加工して全編フィルム調を再現。
フィルム映像でしかあり得ない、
ベース傷や乳剤面のスクラッチ、ゴミ、テープスプライスの痕まで徹底的に再現してました。
最近では動画編集ソフトにもそんな機能が付属してるみたいですね。
ウインドウズ標準搭載の「ムービーメーカー」にもフィルム調のフィルターが入ってます。
ただしこれはベース傷が雨のように入りまくりで超やり過ぎ感な仕上がりに。
そこまではやらなくても、
デジタル撮影の作品はたいがいフィルム画質っぽく仕上げられてますね。
古いフィルム作品をDVDやブルーレイで再リリースする際には、
「最新デジタル・リマスター版!」とか言って傷やゴミを徹底的に消去し、
映像もクリアーに修正したりするのに。
よくよく考えてみればおかしな話。
(観てみたいなあ。「プラネット・テラー」デジタル・リマスター版!)
フィルム画質には作品世界を特別な映画空間に変える魔法の力があるんですね。
私も今後はデジカムで作品を撮るつもりですが、
傷やゴミは要らないけど、画質は出来るだけフィルム調に近づけたいです。
・・・・・・
・・・・・ん?
えーと、
何か引っ掛
かるような・・・・・
・・・・・そう言えば・・・・・
退職したあの子、
「親がとても気に入ってました!」
って言ってくれてそこで話が盛り上がっちゃったけど、
よく思い出してみると、
自分はどうだったか一切言ってなかったような・・・・・
こ、これは「くいしん坊万歳」レポーター時代の梅宮辰夫が、
自分の苦手な料理に遭遇した際、
「これ女房と娘が大好きだと思いますよ」
とか、
「これ娘に食べさせたかったなあ」
とか言って自身の感想を避けるあの手法なのだろうか!?
(梅宮辰夫は多分甘いものが苦手)
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
・・・・・ま・・・・・何はともあれ、
苦手なホラーを頑張って観てくれた○○ちゃん、
どうもありがとう。
お幸せに。