新説『マジすか学園4』
#4624『翼の折れた天然アイドル224 変貌するマイカとセナ』
「SF翼のない白雪姫(31/47話)」
カチドキ(堀 未央奈)
菜々香(長沢菜々香)
梨 加(渡辺梨加)
<都会の人気アイドル>
ゆうゆ(大谷悠妃)
リョウとカチドキ、よこにゃんとちかこが対峙しているのは、マイカとセナ、それに茜、愛佳、菜々香、梨加だ。
マイカとセナの人間離れした力でピンチに陥ったリョウとカチドキを救ったのは、よこにゃんの秘密兵器でもあるヌンチャク攻撃だ。
こうなったらもうあとには引けないので、全面対決するしかないとリョウは腹をくくった。するとヌンチャクを手にして強気のよこにゃんが、今度は全振りでマイカに向かって行く。いつも見ていたよこにゃんとはまるで形相が違うので、頼もしく思える。
そこでリョウがセナの方に注意を払うと、こちらもヌンチャクの攻撃から回復し、マイカと共闘しようと側に寄って行くところをカチドキが飛び付いて邪魔をし、そこにちかこが加勢した。セナのことはカチドキとちかこに任せられそうだ。
あとは自分とよこにゃんでマイカを何とかしようとリョウが視線を戻した途端、驚く光景が視界の隅をよぎった。セナと対峙していたはずのカチドキとちかこが、後ろにひっくり返るようにしたあと、尻もちをついて悲鳴を上げた。どうしてこんなことになったのだと思ってセナに視線を向けて確かめると、容姿が一変している。自分より少し年下で若々しかったセナなのに、生きている人間らしさがまるで失われ、青白い顔で目だけが異様な光を放ち、首から下はモヤに包まれたように身体の輪郭がぼやけて見える。
一体何が起きたのだと頭の中が混乱しながらリョウがマイカの方に視線を戻すと、この数秒のうちにセナと同じように変貌しているではないか。これではっきりした。やはりこの2人は自分たちと同じように生きている人間ではなかった。もしかすると、楽園のようなこの地に強い影響力を持つ者かもしれない。それは同時に、今こうして立っているここが、現実とはかけ離れた幻想の世界だということだ。そんな状態でマイカとセナを前にして、もはや格闘どころではない。
マイカとセナの動きが急にスローペースになったものの、威圧感を増してこちらに迫ってくる。茜たちもマイカとセナの正体を知らなかったようで、4人とも怯えきったまま立ち尽くしている。
それでも何とかこの場を乗り切ろうと考えるリョウは、通じるかどうか分からないが、声を出して対抗してみる。
『急にそんな姿になって、どういうつもりだ!脅そうとしてもそんな子供騙しは通じないからな!』
これに2人がどう言い返してくるか待ったが、何も言わないので逆に怖くなる。
この状況になってもリョウはまだ逃げ出そうとは思わないが、もうどうしたらいいのか分からない程に頭の中が混乱してしまう。
そんな中で新たな動きがあった。マイカが後ろを向いて合図を送ると、背後に広がる林の中から、マイカやセナと同じように輪郭のはっきりしない生き霊のような集団が現れた。その中には見覚えのある顔が見える。この地の住人たちだ。その誰もが元々ここに住み着いていた訳ではなく、被害に遭うなどしてここにたどり着いた人たちだろう。自らの意思で谷にやって来たのは、懸賞金目当ての自分たちだけかもしれない。そんな集団がマイカの指示でこちらに向かってくる。もうこうなったら体裁に構っている場合ではない。一刻も早くこの場から逃げようとリョウは決断した。
◇続く