新説『マジすか学園4』
#3997『そのアイドル、天然につき147 同じベッドの2人』
金曜日の夜、明日の生放送に備え、日テレの近くにあるホテルで一夜を過ごす瑠夏とゆうゆ。
1つのベッドで寝そべっているが、知り合ったばかりの大盛ちゃんからお誘いのメールが来ていることを、瑠夏がゆうゆに話した。
『るかさんが友達になりましょうと言って友達になったんじゃないですか。それなら会ってご飯を食べに行くのは普通じゃないですか』などと、ゆうゆの言い方がサバサバしているなと、瑠夏は思ってしまう。
『そうなんだけど、ちょっと急すぎない?いきなり2人だけで会うのって…』
『ひょっとして心配してるですか?そう言えば成美さんが言ってましたよね。るかさんは人気アイドルなんだから、連絡先を悪用されるんじゃないかって。大盛ちゃんが歯科助手をしているのも本当かどうか怪しいって』
『大盛ちゃんって、そんな子かなぁ。あんなにも可愛いのに…』
『可愛いだけで、どんな人なのかまでは分からないですよ』
『どうしよう💦』
『連絡先を教えてある以上、会った方がいいんじゃないですか。そうしたらどんな人なのかってことも分かると思います』
『そうだよねー。だったら一緒に来てくれないかなぁ。ゆうゆも大盛ちゃんのこと綺麗な人だと言ってたし、積極的に話し掛けたのは、ゆうゆだったじゃない』
『確かにそうなんですけど、大盛ちゃんの目当ては、るかさんでしたよね。ゆうの方には見向きもしなくて、るかさんとだけ連絡先を交換したんですから、ゆうは一緒には行きません。お邪魔虫みたいで嫌です』
これはゆうゆのジェラシーかなと感じる瑠夏だが、そこには触れない方がいいだろうと判断する。
『まぁ、そうだよね。だったら成美さんに頼もうかな。この前も心配してくれたし』
『それはやめた方がいいと思います。成美さんだって、ゆうと同じことを言うはずです』
『そっか。ゆうゆがそう言うのならやめとく。るか1人で行くことにするね。大盛ちゃんって可愛いし、そんな悪いことする人には見えないから』
『そうしてください。でももし、アイドルになりたいから、かおたんに紹介して欲しいと言ってきたら、どうするつもりですか。最初は弟子にして欲しいと言ってたくらいですから、その可能性がありますよ』
『う〜ん。それが目的かもしれないね。でもそれならそれでいいや。るかだって初めは同じようなことをしていたんだから。ただの高校生だったのに、みよまるのモデル友達だと嘘を言って欅坂の子たちに会って、そのあとシャチホコハウスに押し掛けて、かおたんにアピールしたんだもん』
『えーっ!るかさんって最初はそんなことしたんですか!』
『もうだいぶ前の話だよ。あー、もうこんな時間だ!そろそろお風呂に入らなきゃ。今日もじゃんけんで順番を決めてから入る?それとも、るかと一緒に入ろうか♡』
『じゃんけんで順番を決めます!!』
『だったら、じゃんけんしよう』
『はいはい』
じゃんけんの結果、瑠夏が先に入浴を済ませたあと、パジャマに着替えてまた同じベッドに寝そべった。
◇続く