#3991『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3991『そのアイドル、天然につき141 ゆうゆの気持ち』




「KEYABINGO!」(45/47話)


【出 演】
茜     (警 部)
愛 佳(警部補)
今 泉(巡査部長)
小 林(巡査部長)
北 川(若手巡査)
堀     (若手巡査)

菜々香(所轄刑事)
梨 加(所轄刑事)

ね る(フリー記者)
平 手(フリー記者)


ゆうゆ(心霊高校生)
瑠 夏(クラスメイト)
成 美(クラスメイト)

<捜査本部>

古株警部2人
本部長
本庁キャリア組3人




本部長たちが会議室から出て行った。

ゆうゆの長い説明を聞いて納得する茜だが、1つ気になることがある。七瀬たちのことなので、それをゆうゆに聞いてみる。

『ゆうゆの考えたことって凄いと思う。だけど七瀬さんたちはどうなったの?山荘ではあんなことになったくらいだから、こんな結果を許してくれないんじゃないの!?』

肝心な部分を、ゆうゆが深刻な表情で伝える。

『それなんですけど、ゆうはもう七瀬さんたちに会いに行くことは無理なんですが、意識の交流はできています。七瀬さんたち、山荘ではあんな行為に出てしまったんですけど、あれから時間が経って冷静に考えられるようになったせいか、もう同じことはしないからという気持ちを伝えてくれました。運命を受け入れたのだと思います。それから茜さんや刑事さんたちに酷いことをしてしまったと、謝罪の気持ちを表しています』


今さら謝罪と言われても、茜は返す言葉が見つからない。何しろ相手はもう生きていない人たちなのだ…。それは今泉たちも同じ気持ちのようで、誰もが神妙な顔つきで黙っている。するとゆうゆが再び喋り出した。

『七瀬さんたちは、もう地上から離れる決意をしたようです。ゆうも今後交流を図ることはないと思います』

そのあとゆうゆがくるりと顔をそむけ、背中を見せた。短い時間だったが、最期の時間を過ごしただけに込み上げるものがあるのだろうと、茜はゆうゆの心中を察した。あとは友達の瑠夏と成美に任せておけばいいだろうと判断し、ここで切り上げることにする。席を立ってみんなで会議室の机と椅子を元の位置に戻す。


そのあと会議室を出ようとしたら、ねるが話し掛けてきた。

『今回のこと、私たちは黙ってることにしたけど、警察はこのままダンマリで乗り切れると思ってるの?』

茜が気楽に答えておく。

『さぁー、ここからあとは私たちの仕事じゃないから知らないよ。でも次から次へと新しい事件や事故が起きてるんだから、これ以上何も新しい発見がなかったら、徐々にみんなの記憶から薄れていくでしょ。現に世の中には未解決事件なんて山ほどある訳だし、そういうもんだから』

『ふぅ〜ん。まぁ、そうだといいけどね。それより今回の件で酷い目に遭わされたんだから、食事くらい奢ってよ。そのくらいしてもらわないと気が済まない』

『はぁ?何を言ってるの。口止め料としてガッポリ頂くんでしょ。こっちが奢ってもらいたいくらいだわ』

そんな軽口を叩いていたら、気を取り直したゆうゆがリュックを背負い、瑠夏たちと前に立ったので、茜が声を掛ける。

『3人ともお疲れさまでした。捜査に協力してくれて、本当にありがとう。数日中にきちんとした形でお礼をするからね』

するとゆうゆではなく、瑠夏が目を輝かせる。

『ホントですかぁ!でしたら食事をご馳走してもらえたら嬉しいです♫』

『食事くらい好きな物をお腹いっぱい食べさせてあげるわ』

成美からも希望が出る。



◇続く