#3945『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3945『そのアイドル、天然につき95 成美の宿敵』



瑠夏と連絡先を交換して「はつもり」を出て行った大盛ちゃんに疑いの目が向ける成美が、麟と言い合っている。



<関東レディース>
麟   (岡部  麟)
おだえり(小田えりな)
七 瀬(吉川七瀬)



瑠 夏(井上瑠夏)
ゆうゆ(大谷悠妃)
成 美(倉野尾成美)

大盛ちゃん(大盛真歩)


一方で瑠夏の方は、1人だけ残ったままのカレーライスを食べ切ることに専念している。途中で喋っていたので少し冷めてしまったが、おいしさはそれでも格別だ。これなら普段お金を払ってでも食べに来たい。それにカレーのルーは残り僅かになる程、もっとおいしく感じるのはなぜだろうと思ってしまう。スプーンでルーを全部掻き集めて味わいたいところだが、音を立ててばかりいるのは恥ずかしいから程々で切り上げ、スプーンを置いて『ごちそうさまでした』と手を合わせた。

ちょうどそのタイミングでお客の来店があったので、瑠夏たちは関東レディースの3人にお礼を言って、「はつもり」を出た。


地下鉄の上前津駅まで3人で歩き、その後は瑠夏とゆうゆがそれぞれの駅で降り、1人残った成美がふと考えるのは、瑠夏から言葉巧みに連絡先を聞き出した大盛ちゃんのことだ。かなり可愛くて、とても裏で腹黒いことを考えているようには見えないが、見た目だけで判断するのは危険だなという気もする。しばらくは瑠夏の周りに気を配った方がいいだろうと考えながら夜の道を歩いていたら、シャチホコハウスに着いた。リビングに行ってみると、由美子と愛理が始まったばかりの「プレバト!!」を観ているところだが、声だけ掛けて自分の部屋に向かう。明日は朝から日テレに行って「KEYABINGO!」の撮影があるので、これから脚本を読み直すつもりだ。


翌日の金曜日になった。日テレに行って「KEYABINGO!」の撮影に臨む成美は、ハウスの誰よりも早い朝6時に目を覚ました。持ち物は昨日の夜に用意しておいたので、簡単な朝食を1人で済ませ、身支度をして7時にハウスを出た。

愛用のボストンバッグを持って通学や通勤の人たちに混じって地下鉄に乗り、集合場所である大須商店街の「はつもり」に向かった。

成美が「はつもり」の扉に触れると、鍵が掛かっていないので開けてみる。先週は中に誰もいなかったが、今日は家主のななまるが客席に1人で座り、「ドデスカ!」を観ているところだ。こちらを向いて『あっ、おはよう!』と言ってくるので、同じように『おはよう!』と返してななまるに近付く。

今日も1番最初に着いたなと思いながら向かいの椅子にボストンバッグを置き、自分はその隣に座ると、早速ななまるが切り出してくる。
『昨日はみんながいたから黙っててあげたんだけど、水泳大会でどうして水着にならなかったの?それもシャチホコセブンではあんただけでしょ。初水着でアピールする絶好のチャンスだったのに』

余計なお世話だなと思いながら、成美が対応する。
『その話か。別に人それぞれの考えがあるんだから、いいだろー』

『まぁ、そうだけどね。あの中で水着になりたくないって気持ちも、分からなくはないけど』
『あーっ!今あたしのことをバカにしただろー』
『バカになんかしてない。他にもあるんだよね。噂で耳にしたんだけど、総監督とやらを引き受けたそうじゃない。そんなのやってるより、早く自分の将来をどうするか考えた方がいいでしょ。UNLAMEとやらは中途半端な活動しかしてないみたいだし』
『言いたいこと言ってくれるけど、あれにはいろいろあるんだ。それに情報が遅れてるぞ。あたしはUNLAMEを卒業した!』
『へぇー。そうなんだ。短い活動期間だったね。一体何がやりたかったの』
『何だっていいだろー。こっちだって振り回されてるんだ。それよりあたしだって、みんながいたから黙ってたことがあるんだぞ』
『はぁ〜、何?言ってみてよ』
成美が反撃に出る。


◇続く