#3943『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3943『そのアイドル、天然につき93 大盛ちゃんの訴え』



瑠夏が「はつもり」で出してもらったカレーライスを食べていたら、気になる大盛ちゃんが席を立って近付いてくる。代金を払うのだろうと思い、このタイミングで話し掛けようとしたら、向こうから喋り出した。



<関東レディース>
麟   (岡部  麟)
おだえり(小田えりな)
七 瀬(吉川七瀬)


瑠 夏(井上瑠夏)
ゆうゆ(大谷悠妃)
成 美(倉野尾成美)

大盛ちゃん(大盛真歩)


それも視線は自分を見ているみたいだ。
『るかさん!私の師匠になってもらえませんか!弟子にしてください!アイドルになれるよう、いろいろ教えてください!』

想像もしていなかったことを言われ、瑠夏は驚いてしまう。
『えーっ。本当ですか!どうして、るかなんですか!?』
大盛ちゃんが目を見て言ってくる。
『ずっと前から、るかさんのことは知っていました。でもおととい放送された水泳大会を見ていたら、るかさんを見習いたいし、ついて行きたいと思ったんです!』

瑠夏が思い出す。大盛ちゃんが言っているのは、浮き島に上がった時、誰かに背中を押されてプールに突き落とされたり、フォトジェニック賞をもらったあとの胴上げで、最後はプールに落とされた時の前向きな態度だろうと。その点は嬉しいが、次の日に起こったことが頭をよぎるので、今度は先に触れておく。
『そう言ってもらえるのは嬉しいんですけど、これってもしかしてドッキリではないですよね…』
大盛ちゃんが目を丸くする。
『ドッキリなんかじゃありません!そもそも私なんかが、るかさんにドッキリを仕掛けられる訳ないです』
『確かにそうですよねぇ。それにるかたちがここに来るって知っていたのは成美さんとゆうゆだけで、こんな短時間にドッキリをやろうなんて話になるはずないですもん』

ここで麟が首を突っ込んでくる。
『その通りだよ!これはドッキリなんかじゃない。そもそもこれがドッキリとして採用される訳ないでしょ』
『なるほどー。るかの考え過ぎでした。ごめんなさい。でも、るかは師匠なんて呼ばれるような人間ではありません。ですからそういう関係ではなくて、お友達から始めるというのはどうですか!?』

"お友達発言"で周りの何人かが小さく笑ったが、大盛ちゃんは至って真剣だ。
『るかさんがそう言ってくれるのなら、私はそれでお願いしたいです。いいんですかー』
『もちろんいいですよ。大盛ちゃんって何歳ですか!?るかは22歳です』
大盛ちゃんが大きな声を出す。
『えーっ!何で私の名前を知ってるんですかー』

"しまった!"と思う瑠夏。大盛ちゃんというのは、この店で大盛りばかりを注文することで付いたあだ名だと、バレバレじゃないか。これはかなり不味いなと思う。視界に入る麟とおだえりがムッとしているので、これは自分で責任を負うしかないなと腹をくくるが、すぐにはいい案が浮かばない。
『えっ、えっ💦何ででしたかね…。よく覚えてないんですけど、先週少し話した時に聞かなかったですか!?』
自分でもトンチンカンな受け答えだと思うが、大盛ちゃんが断言する。
『言ってないと思います。麟さんたちにも教えてないですし、不思議ですねー。でも別にそんなことはいいんです。私は24歳です』
話題を変えて、切り抜けようとする瑠夏。
『24歳ですかぁ〜。もっと若いと思ってました。それか、るかと同い年くらいかなって』
『いえいえ、それが24歳なんです』
何の仕事をしているのか聞きたいが、さすがにまだそれは控える。そのうち向こうから教えてくれるだろう。
『それならせっかくここでお友達になれたんですから、これからは、るかでもるーちゃんでもいいので、そう呼んでください』
『はい。そうします♡』
『それとお友達なんですから、年下のるかが言うのも何ですけど、敬語で話すのはやめませんか』
『るーちゃんの方からそう言ってくれるなら、私は全然OKです♡』
『じゃあ、そうしましょう。るかは何て呼んだらいいの?』
『私、大盛真歩って名前だけど』
『えーっ!おおもりまほ!?』
『うん♡』
『凄い偶然だね!!』
『偶然!?何が偶然なの』
『まぁ、それはいいんだけど、友達には何て呼ばれてるの?』
『まほぴょんって呼んでくれる子が多いかな♡』
『まほぴょんかー。実はこの界隈に、はるpyonって子がいて間違えそうだから、馴染みのある大盛ちゃんでもいいかな』
『うん。いいよ♡』
『じゃあ、そうしよう♪』
『それじゃあ、連絡先を交換しなきゃ。ちなみに私、歯科助手の仕事をしてるの♡』
『あー。歯医者さんね』
大盛ちゃんがトートバッグからスマホを取り出すのを見て、瑠夏もテーブルの上に置いたスマホを手に取り、お互いの連絡先を交換した。


◇続く