#3837『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3837 『アイドルに転職は難しい187 最初の実験台』



「SF翼のない白雪姫(6/33話)」


<ブラックシープス>

白雪姫・みーおん(AKB48 向井地美音)

アツリーヌ(前田敦子)

さーなん(髙寺沙菜)

小林由依

今泉佑唯

守屋 茜

志田愛佳

平手友梨奈

長濱ねる

リョウ (北川綾巴)

カチドキ(堀 未央奈)

長沢菜々香

渡辺梨加

音 葉(町 音葉)

ユ キ(矢作有紀奈)

モ エ(矢作萌夏)


<うどん はた屋>

よこにゃん(SKE48 北川愛乃)

はたごん(SKE48 髙畑結希)

ちかこ(SKE48 松本慈子)

優莉奈(AKB48 行天優莉奈)


<カプセル販売員>

舞 香(=LOVE 佐々木舞香) 



都会で大人気になっている「睡眠圧縮カプセル」が発売される当日、買い出し役を任されたさーなん、ねる、モエ、白雪姫、アツリーヌの5人が、午前中のうちに寮へ帰った。


すぐにみんなが食事をする部屋に集まり、定位置に座った。アツリーヌが食卓の上にカプセルが入った小さな紙箱をいくつか並べる。次はいつ売られるか分からないので、多めに購入した。その中の1つをアツリーヌが開封し、アルミシートに包まれたカプセルを取り出す。

『さぁて、まず最初に誰が飲む?安全面は全然心配ないそうだから、安心して飲めるよね』

そう言ったあと左右を見回すが、誰も立候補しない。そこで平手が名指しする。

『この中でカプセルに1番期待していたのは誰だった?確かリョウとカチドキだったよな。じゃあ、2人に先陣を切ってもらおうか。最初に睡眠圧縮の効果を満喫できるなんて幸せだろー』


早速リョウが言い返す。

『あのなぁ、適当に名前を出すのはやめてくれないか。あたしよりもっと期待していたのがいたはずだ。誰だったかなぁ』

カチドキが続く。

『あたしではないから。そもそもさぁ、このカプセルって本当に睡眠を圧縮できるものなの?大した効果がないだけならまだしも、逆に目覚められなくなったらどうするのー』

平手が安心させる。

『何を今さら。都会で大流行してるって話だから、そんな心配は要らないだろー』

『気軽に言うけどね、この街から都会に行って、カプセルの効果を実際に確かめた人っているの?』

『いるから噂になってるんだろー』

カチドキがボヤく。

『あーあ。こういう時にゆうゆがいてくれたら、詳しい話を聞けたのになぁ。ともかくあたしは1番最初に飲むのは嫌だから』

カチドキのあとにリョウが『あたしもだ』と言ってソッポを向いた。ここで他の者も黙ってしまった時、名乗り出るのは白雪姫だ。

『みんなが嫌だって言うなら、私が最初に飲んであげるよ。都会の人たちが飲んでるって言うんだから、心配要らないでしょ。アツリーヌ、私にカプセルを1つ、ちょーだい』


まさかの展開に、カプセルが入った箱をいじっていたアツリーヌの手が止まる。

『姫が最初に飲むのは危険です。万が一このカプセルに問題があったらどうするんですか』

アツリーヌの忠告を聞いて何人かがざわつく中、梨加が指摘する。

『それって、どこか変じゃない。アツリーヌって、ついさっき安全面は全然問題ないから安心して飲んでと言ったよね』

さらに菜々香が突っ込む。

『そうそう。それなのにみーおんが飲むとなったら、そんなことを言い出すなんてどうなの!?』

気まずそうなアツリーヌが決断する。

『分かった!姫がカプセルを飲む前に、私が飲めばいいんでしょ!30分寝てるそうだから、私が目覚めたら結果を報告するわ』

梨加と菜々香が揃って『さすがー』とアツリーヌを讃え、白雪姫が『アツリーヌ、悪いね』と言って手をあげるのを見て、周辺からクスクスと笑いが起きた。


アツリーヌはアルミシートから赤白2色のカプセルを指で押して取り出すと、食卓の上に用意してあるコップを持った。そんなアツリーヌに声を掛けるのはユキだ。

『あーっ。アツリーヌ、何か言い残しておくことはないの?!』

ユキの軽口にアツリーヌが合わせる。

『そうだなー。じゃあ、私は姫とさーなんのことが気掛かりだから、2人の面倒をユキちゃんにずっと見てもらおうかな』

ユキが返す。

『えーっ、私はモエのことで手一杯だから、2人の面倒まで見てられないよ。そうなった時は、みーおんとさーなんをそっちに送り込むからね』

『それはちょっと困るんだけど…』

話を聞いていたさーなんが、『困るんかい!』と突っ込んだところで、また笑いが起きた。そしてとうとうアツリーヌがカプセルを口に運んだ。



◇続く