#2140『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』

#2140『もう振り返ったりはしない40 亜柚香の行方』


亜柚香(上村亜柚香)のことが心配で名古屋にやって来た欅坂6期生の8人(守屋 茜・志田愛佳・今泉佑唯・小林由依・平手友梨奈・長濱ねる・渡辺梨加・長沢菜々香)だったが、肝心の亜柚香が携帯の電源を切っていた。仕方ないのでベリカから提案があった“ひつまぶし”を食べることにした。亜柚香の脳内で遊び呆けていた頃、近くのマリオットアソシアホテルのスイートルームを拠点にしていたので、この辺りのグルメは食べ尽くした。その中でもみんなが好んで食べていたのが、ひつまぶしだった。すぐJRセントラルタワーズのタワーズプラザレストラン街にある専門店に向かった。

まだ早い時間なので店内は空いている。亜柚香の脳内ではいつも貸し切りで無料の食べ放題だった。今日はきっちり代金を払うことになるが、最も高い“特上ひつまぶし”を8人前頼んだ。選抜メンバーにはまだなれていないが、給料は十分にもらっているので躊躇することはない。

個室に通してもらって“特上ひつまぶし”を食べ終えてから、このあとのことをみんなで相談する。亜柚香の携帯は切ってあるままなので、まずは今泉佑唯が思っていることをみんなに告げた。
『さっき茜が言ってたけど、亜柚香ちゃんは桜花ちゃんと一緒にいそうだよね。桜花ちゃんの携帯番号は知らないんだけど、この前みたいにホームページで何か分からないかなぁ』

すぐにみんながスマホで桜花のホームページをチェックし始めた結果、栄の一角にあるビルに事務局が入居していると突き止めた。すぐに店を出てタクシーで栄に向かった。


目的のビルは、栄の大津通りから少し西に入ったところにある雑居ビルだ。事務局が入居しているのは3階なので、下から窓を見上げてみたら、桜花のトレードマークらしき大きな桜の花びらのシールが貼ってあり、室内の様子は分からない。みんなは正面入り口に向かい、階段で3階に上がり始めた。

扉には「桜花produceミラクルトリップ事務局」と書かれたプレートが貼ってある。まだ高校生くらいの年齢なのに、1人でビジネスとして仕切っているのかと思い、今泉佑唯は少し驚いた。すると扉に鍵が掛かっていないのか、志田愛佳がノックもせずに扉を開けてしまった。そのまま室内に足を踏み入れたので、佑唯もあとに続く。ところが先頭の愛佳が立ち止まったせいで、うしろから来た者に佑唯は挟まれた。いったいどうしたのだと室内を見ると、手前に机が2つ向かい合わせで並び、その奥はカーペットが敷かれた広いスペースになっている。そこで普段着姿の少女2人が、正面から密着して抱き合っている。1人は長い黒髪の桜花。もう1人の方をよく見たら亜柚香じゃないか!


◇続く