#2139『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』

#2139『もう振り返ったりはしない39 先を越された坂道』


金曜日の夜、東京近郊にある欅寮で6期生たちが話し合いをしている。明日の土曜日に名古屋へ行く8人が決まったあと宅配弁当の夕食を済ませ、「ミュージックステーション」を観た。エンディングで次週はアンダー16連合が初登場することを知って唖然としたあと、守屋 茜が黙っていられない。
『うわぁー。なんであいつらがMステに出るわけー』
長濱ねるが考えてみる。
『来週の金曜日って、あの子たちがうちらのドラマにルシファー8でサプライズ出演する回が放送されるでしょ。それとセットでPRするんだよ。おとといは「おはスタ」にも出てたし』
『あいつら芸能事務所に所属してないじゃん。テレビ局だってテレ東とテレ朝で違うのに、どうなってるんだろー』
長濱ねるが自虐的になる。
『可愛い子がいっぱいいるからでしょ』
『誰が可愛くて人気があるの!』
守屋 茜の問いに、アンダー16連合の面々と交流を深めた今泉佑唯が答え始める。
『可愛いのは小栗ちゃんと横山ちゃんだよ。人気もあるし。あと山田と郁海ちゃんはダンスがうまい実力派の上に、山田は人望があって郁海ちゃんはスタイルが抜群。渚沙ちゃんと芹佳ちゃんはアイドルっぽくて人気があるし、仁美ちゃんと聖ちゃんもダンスがうまくていい子だよ』

今度は志田愛佳が不満を漏らす。
『うちらだってまだセンパイと一緒に出しもらってないのに、あいつらに先を越されるとは思わなかった!だってCDデビューもしてないんでしょ。昔の曲をパクって歌ってるだけなのに!』
『話題性があって、何か光るものがあるってことでしょ』
今泉佑唯の考えに、最後はみんなが納得するしかなかった。そこで一旦解散して、各自の部屋で過ごすなどした。


夜の12時が迫ってくると、パジャマ姿でまた同じ部屋に集まり、「SF翼のない白雪姫」を全員で見始めた。今週のOAは先週撮影した分で、都会に出て路上ライブで上を目指そうとするみんなを、ベリカと音葉がさーなんの協力を得てひと芝居打ち、食い止めてしまうストーリーだった。ドラマが終わると恒例の反省会をして、眠りに就いた。


翌日の土曜日になった。守屋 茜・志田愛佳・今泉佑唯・小林由依・平手友梨奈・長濱ねる・渡辺梨加・長沢菜々香の8人は、目立たないカジュアルな服装を選び、午前10時のリニア新幹線に乗って名古屋に向かった。


40分後には名古屋駅に到着したので、ホームの端っこに移動して今泉佑唯が亜柚香の携帯に電話してみたが、電源がオフになっている。佑唯は仕方ないので電話を切った。
『おかしいなぁー。なんで電源を切ってるんだろう。土曜日だから学校もないのに』
長濱ねるが予想してみる。
『誰かから電話が掛かってきて、いろいろ聞かれるのが嫌だからなんじゃない。うちらだって嫌がられてるかも』
今泉佑唯がすぐに反論する。
『亜柚香ちゃんは、そんなふうに思ってないよ』
そうは言ってみたものの、観光バスの件が騒がれているだけに少し心配だ。そこで守屋 茜が推測してみる。
『桜花と一緒にいるんじゃないかな。おとといだって、桜花と2人でいる時にあんなことが起きたんだから。つうか、セントラルブリッジで酷い目に遭わされた次の日に、もう2人で会ってたなんてビックリだよね。すっかり仲良しになってるんだろうな』

その時、ベリカから提案があった。
『もう、お腹空いたぁー。混み始める前に早めのランチにしようよー』
小林由依が『何にする?』と聞くと、『ひつまぶしー』と言い出し、みんなから歓声が上がった。


◇続く