#2094『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』

#2094『あともう少しの勇気があれば…44 みなるんの魔手』


妄想に浸るみなるんがメッシと言い争いを続けているので、ピースがもういい加減にこのトークを終わらせようと思った。
『さっきから話が脱線してるよ。そうだ!ディーヴァおだえりたちが着いたかどうか、確認しなくっちゃ。小耳ー。悪いけど見て来てくれないかなぁ』
ソファーでくつろいでいた小耳(矢神久美)が、目を見開いた。
『えー!私が見に行くのか?』
『頼むよ。 私が行くと、ライバル同士のジムだからいろいろとまずいんだよね』
小耳が立ち上がった。
『しょうがないなぁー。じゃあ、ちょっと偵察に行くか』

小耳が出て行ったあと、ゆななと菅原が楽屋に戻って来た。みなるんがすぐに、『あー、この子が今日のゲストなんだー』と大きな声を出したので、ゆなながすぐに反応する。
『すごーい。ホンモノのみなるんだ!ちっちゃくて可愛いー。今日は妄想しないんですかー』

みんなが唖然としているので、なんてね(木本花音)がゆななに話し掛けた。
『ゆななは頼もしいなぁ。でも残念だけど、みなるんの妄想はさっき終わったところだ』
『わぁー。生でみなるんの妄想少女を見たかったなぁー』
なんてねがすぐに突っ込む。
『少女じゃなくて、おばさんだけどな』
『えー!おばさんには見えませんよ。まだハタチくらいじゃないんですか』
『おいおい…』
なんてねは呆れるが、みなるんが上機嫌になる。
『あなたがゆななね。めっちゃいい子じゃない。それにこんな可愛い子、初めて見たわ。さすがにピースが連れて来ただけのことはある。ちょっとこっちにいらっしゃい』
『はぁーい♪』

ゆななが素直に従った。側まで来ると2人が並んだ。背はゆななの方が高いので、少し見上げるようにしてみなるんが言い出した。
『私の一番のギャグを、ゆななならやってもいいわよ!』
ゆななが小躍りして喜びを表現する。
『わぁー!それって、もしかしてあれですか。「可愛くって、すいません!」ですよね。私がやってもいいんですかぁ』
『もちろん!ゆななだから許可するのよ』
『ありがとーございます!』

ペコリと頭を下げるゆななを見て、またもみんなが唖然としているので、今度もなんてねが声を掛ける。
『ゆななー。みなるんが言ってることを、マジに受け取らない方がいいぞー。ゆななのことをからかってるんだから。あとで私のマネージャーをやらせてあげるなんて、言われかねないからな』

みなるんが言い返す。
『失礼な!からかってなんかないわ!ゆななは私の後継者になれる器なの。ゆななー❤️』
手招きされたので、ゆなながみなるんに近付いて距離が縮まった。するとみなるんがゆななのことを抱き締めるような感じで、ボディータッチを始めた。笑顔のゆななは、『キャッ、キャッ』と声を上げて喜んでいる。

そんな様子を見ているピースだが、ゆななが心の底から喜んでいるのか分からない。もしかしたら本当は嫌なのに、年上で元ヤンの噂があるから拒否することも出来ずに内心では困っているんじゃないかと思い、声を掛けておく。
『みなるーん。ゆななはよその事務所から預かった大事なゲストなんだから、程々にしといてよ。メンバーじゃないし、後輩でもないんだから。それにゆななのことを“器”に例えたのは酷いな』

するとゆなながピースにも笑顔を向ける。
『“器”にされても私なら大丈夫です♪みなるんに会えて嬉しいくらいなんで』
『へぇー、そうなんだ。じゃあ、いいけど』
天然を売りにしているゆななが、ポーズじゃなくてみなるんとこんなにも仲良くなったことに驚くピースだが、今度はゆななの方からみなるんの肩に手を回したじゃないか。最年長と最年少の意外なペアが肩を組み合った状態でいると、楽屋の扉が開いた。ディーヴァおだえりの楽屋を調査しに行った小耳が戻ったが、2人の様子を見て目を丸くしている。





◇続く