#2093『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』

#2093『あともう少しの勇気があれば…43 妄想の洗礼』


日テレの楽屋に1人でやって来たみなるんが、『メッシに言いたいことがあるの』と言い出した。メッシが特に反応を示さないので、みなるんがそのまま続ける。
『私に来たソロ仕事を他のメンバーに回してるんじゃないかって前から疑ってたけど、ついに証拠をつかんだわ!』
楽屋のソファーに座っているメッシが、たまらず腰を浮かせた。
『はーっ?何だよ、それ。私がいったい何をしたって言うんだ』
『とぼけないでよ。私に来た写真集の仕事をショッカクに回したでしょ!』
メッシがもちろん否定する。
『そんなわけないだろ!あの写真集はショッカクがSNSとかでアピールして、自分で取った仕事だ』
『ホントーにそうなの?胸だって私の方が大きいのに、私じゃなくてショッカクなんておかしくない?』
メッシが断言する。
『全然おかしくないから!むしろみなるんのアピールポイントはそこだけだろ!それ以外は全部ショッカクの方が上だからな』
『ふっ。ショッカクのことはもういいわ。それよりなんであんたまで写真集を出したのよ!』
『よく知ってるなぁ。あれは出版社の人に写真集を出しませんかって言われたんだ。やっぱ見てくれている人はいるってことだ』
みなるんが笑いをこらえきれなくなる。
『あはは~。そんなブヨブヨの身体でよく写真集なんか出したよね。大丈夫なの?逆に心配なんだけど』
言い返すメッシ。
『余計なお世話だ!私の身体はエロボディーとか性欲ボディーって言われてるんだぞ!』
『ぷっ。自分で言ってて恥ずかしくないのー』
『曖昧な自分は恥ずかしくない!みなるんのコロコロボディーよりマシだ!』
『何がコロコロなのよ!』
『コロコロはコロコロだろ!』
『じゃあ、どっちが写真集を出すのにふさわしいか決めてもらおうじゃない!さーなん、どう思う?』

くだらない言い争いに笑いをこらえていたさーなんだが、突然みなるんが自分に振るのでビックリした。
『えー、私?んー、そうだなぁ。2人とも成熟した身体で魅力的だなぁ。どっちがいいなんて決められないよ』
するとメッシから予想外の返答が来た。
『どっちか決められないっていうのが、一番ズルいんだよな。正直に言えばいいじゃん!』

さーなんにしてみればどっちもどっちだと思うが、どちらかの名前を挙げれば、もう1人の方に恨まれる。こんなにも損な役回りはないなと思った時、いい逃げ道が見つかった。
『2人よりも私の写真集の方がよっぽど売れると思うんだけど。若くてピチピチだし、身体だって全然バランスが取れてるじゃない。顔も可愛いし♪』
すぐにみなるんが言い返す。
『あっ、それって私たちがバランス取れてなくて、顔も可愛くないって意味じゃないのー』

さーなんが困り果てているので、ピースが助けに入る。
『今のオイラーズだったら、誰もさーなんにかなわないよ。そこはちゃんと自覚しないとね』
さーなんがたまに見せるはにかんだ笑みを浮かべたが、みなるんはまだ引き下がらない。
『さーなんは仕方ないとしても、ショッカクとメッシより私の方が総選挙で上位だったじゃない。私は8位なんだから!36位のショッカクが写真集を出したなんておかしいでしょっ』

そこでついに名無しが口を挟んできた。
『なんで総選挙の話が出て来るんだ。ここじゃあ関係ないだろ。みなるんはもう引き下がったらどうだ』
そこにミユが加わる。
『パルだって写真集を出してないんだから、みなるんが出せるはずないだろー』
すぐにみなるんが反論する。
『パルは水着になるのが嫌だっただけでしょ。私だったら脱ぎ惜しみなんてしないから!』
その時、すだちがあることに気付いた。
『パルさんって、若い頃に写真集を出してませんか?私、見たような気がするんです。困ったような顔をしたパルさんの表紙を』
すだちに促され、パルが重い口を開いた。
『さぁー。昔はそんなことがあったかも。でももう忘れちゃったぁー』
パルの返答にみんながガクッとなった時、ピースがもういい加減にこの混乱したトークを終わらせようと思った。


◇続く