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テレビでよく見る「旅のグルメ特集」
有名人が観光名所をめぐって旅館や名物を紹介する
例の人気番組、
これを見ていて、ある店のおかみさんが
「いいわね~、タダで宣伝してもらって…」
とうらやましそうにつぶやいていました。
広告の世界をご存じないおかみさんには
これが「ペイドパブ」というPR手法であることを
教えてあげなければなりません。
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「ペイドパブ」って何のこと?
「ペイド」とは「支払った」という意味で
「パブ」とは「パブリシティ」という意味…。
パブリシティというのは「広報」とか「公報」とか
いうニュアンスの言葉で、広告臭さをなくし、
いかにも客観的に取材したかのような体裁に
仕立てた番組のことをいいます。
だからテレビ画面に出る旅館や名品店は
ほぼ100%広告費を支払っています。
決して「無料」ではありません。
単にCM収入や通販収入だけでなく、
このペイドパブ収入もテレビ局の大きな収入源なのです。
ただテレビ媒体だけでなく、新聞社や雑誌でも
「なんとか特集」というような記事は
ほとんどがペイドパブと思って間違いがありません。
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ましてや情報のるつぼであるネットの世界はどうでしょう。
ここでもタダのものは何一つありません。
にもかかわらず、どんなページにも
「無料」という言葉が氾濫しています。
これもよく考えるとペイドパブの一変種と言えます。
「無料なんとか」をクリックすると
必ずメールアドレスを要求されます。
「資料請求」などをすると個人情報まで求められます。
つまりお金は払わないけれど、
メアドや個人情報を支払っているわけ…
なぜかといえばメアドや個人情報はネット社会では
いまや立派な「価値物」だからです。
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…この項つづく